米女子ゴルフツアー本格参戦3年目の渋野日向子(25=サントリー)は、今季最終戦「ツアー選手権」(11月21日開幕、フロリダ州)へ無事にたどり着けるのか。本人は30日、国内開催の米ツアー「TOTOジャパンクラシック」(31日開幕、滋賀・瀬田GC)の公式会見で参戦へ意欲を示したが、調子が上がらない状況で、その行方が注目されている。
渋野は米ツアー唯一の国内開催大会へ向けて「米ツアーの選手として、日本に帰ってこられたことはすごくうれしい。米ツアーの選手として結果を出せてない試合ではあるので、しっかり出せたらと思う」と会見で意気込んだ。
その気持ちとは裏腹に、肝心の調子は上がらない。「ゴルフは決して良いとは言えない。すごく不安は多い」とした上で「ショットの精度をどうこうというところに向けていない状態。10ヤードのアプローチを大事に練習している感じ」と基本から立て直していることにも触れた。また「得意なコースではない」とも明かした。
2週前の「BMW選手権」(韓国)は、現地入りしてから体調不良で欠場した。今も薬の服用を続けており「(体調は)徐々に良くなっている。戦える状態」と回復を強調。ただ、欠場時の状態については「ケガじゃないけど、体が結構パンパンになっちゃって。節々がというか、関節が曲がらなかった。原因はわからない」と説明し、深刻さをうかがわせた。
こんな状況で、年間ポイントランキング上位60人が出場する「ツアー選手権」へ向けて、現状の56位を維持できるか不安も募る。ツアー関係者は「ほかの選手次第だが、安泰とは言えない」と指摘。一時は「全米女子オープン」の2位などで〝安全圏〟と見られていたが、夏場以降の失速でずるずる順位を落としているからだ。今大会を含め最終戦まで3試合が組まれている中、早く当確させたくても簡単にいきそうにない。
渋野は自身の順位は確認していないとする一方で「60位以内をキープ? もちろんそこは大事。まずは一日一日、一打一打、悔いの残らないように打つことかなと思う」と力を込めた。調子はともかく、気持ちは切れていない。たとえギリギリでも、シード落ちした昨季はかなわなかった最終戦出場権の確保を目指す。