野球の国際大会「プレミア12」(11月24日決勝)に向けた侍ジャパンの合宿が30日に2日目を迎えた。
今大会は村上(ヤクルト)や岡本和(巨人)ら20代の長距離砲が故障で出場を辞退。野手は小粒な感も否めないが、その中でも開幕後に視察を予定する米球界関係者の注目株が楽天・辰己涼介外野手(27)だという。
今季の辰己は全143試合に出場し、パ・リーグ2位となる打率2割9分4厘をマーク。158安打で最多安打のタイトルを獲得しただけでなく、20盗塁(同4位)、打者をアウトにする刺殺で「392」とし、76年ぶりにプロ野球記録を更新した。走攻守の三拍子がそろった辰己は今回が代表初選出で「選んでもらえたことは光栄ですし、楽しんでやりたい。自分をアピールできたらいいなと思うし、悔いのないようにやりたい」と意気込んでいる。
そんな辰己にはメジャー関係者も「国際大会でどんなパフォーマンスを見せるか非常に楽しみ」と期待を寄せる。レギュラーシーズンで辰己のプレーを目の当たりにしたナ・リーグスカウトは「日本ハム時代の全盛期の糸井嘉男(現阪神SA)のようなスケール感が出てきた」と評し「メジャーでも中堅手は守備重視で、そこまで長打力はいらない。うまくハマれば青木宣親のような活躍が見込めるかもしれない」とみている。
青木は2012年からブルワーズやロイヤルズなど7球団を渡り歩き、18年からヤクルトに復帰し、今季限りで現役を引退。MLBに在籍した6年間では759試合に出場し、通算打率2割8分5厘と一定の成績を残した。その後、鈴木(カブス)や吉田(レッドソックス)が海を渡ったが、投手に比べて野手には狭き門となっている。
侍ジャパンに加わった〝新星〟が国際舞台でどれだけのインパクトを残せるのか注目だ。