米共和党の元カリフォルニア州知事で俳優のアーノルド・シュワルツェネッガー氏は、日本時間31日までに更新したXで、大統領選(11月5日)では民主党候補カマラ・ハリス氏に投票することを明らかにした。
「選挙の結果を拒否することほど、非アメリカ人的なことはない。私のように世界中の人たちに話しかけ、アメリカが丘の上の輝く街であることをまだ知っている人にとって、アメリカを『世界のゴミ箱』と呼ぶことはとても非愛国的で、私を憤らせる。私は常に、共和党員である前に1人のアメリカ人。これが、カマラ・ハリスとティム・ウォルズ(副大統領候補=ミネソタ州知事)に投票する理由だ」
2003年11月から11年1月まで知事を務めたシュワ氏。Xに寄せた長文の投稿で大統領選に対する見解を示した。共和党候補のドナルド・トランプ前大統領は、いまだ前回20年の大統領選でジョー・バイデン氏に敗れたことを認めていない。
先週の選挙集会では不法移民問題に触れ、米国は「まるで世界のゴミ箱だ」と訴えた。シュワ氏はオーストリア出身の移民。トランプ氏の別の集会では登壇者から、中米プエルトリコを「ゴミの島」とする発言もあった。
シュワ氏は知事の仕事から「政策を愛し、政治を無視する」ことを学んだという。「政治は嫌いで、ほとんどの政治家を信用していない」「正直に言うと、どちらの政党も好きでない」と胸の内を明かしたが、トランプ氏については辛らつ。財政赤字や不法移民など、問題は大きくなり国民は怒りやすくなるが、「そこから利益を得るのはあなたじゃない。ただ1人の人間だ」と前大統領を示唆。トランプ政権が再現すれば「何の成果もなく、我々の怒りを募らせてより分断し、憎悪を抱くデタラメな4年間が再び訪れる」とした。
2人の間では、かつての人気テレビ番組「アプレンティス」を巡る〝舌戦〟もあった。「お前はクビだ!」の決めゼリフが流行したトランプ氏司会の看板番組だったが、16年の大統領選を前に降板。後を継いだのがシュワ氏だった。
当時、トランプ氏は司会者が代わって低視聴率にあえいでいるとシュワ氏をやゆ。同氏は、トランプ氏が番組制作に関与していることが視聴者離れを招いたと反論したと報じられた。
シュワ氏は21年にはバイデン氏の大統領就任式に際して祝福メッセージをXから送っている。