ドジャースとのワールドシリースに1勝4敗で敗れ、ヤンキースの15年ぶりの悲願は果たせなかった。豊富な資金力を持ってしてもかつての王国の構築は難しく、要因としてキャッシュマンGMの失策が挙げられている。
第1戦でフラハティ、第2戦では山本の好投にに苦しめられ、フリーマンにはサヨナラ満塁弾を含む3発を浴びたが、米メディア「FANSIDED」は「この3人をキャッシュマンが逃がした」と言及している。「2021年オフ、元ブレーブスのフリーマンはFA史上最高の選手だったが、キャッシュマンはまったく交渉できなかった。フリーマンが検討したのはドジャースとブレーブスだけ。フリーマンは『キャッシュマンと話はしたが、オファーはなかった』と語っている」。それ以来、攻撃的な一塁手がいないと報じている。
今年7月にトレード加入したフラハティも「タイガースとほぼ合意していたが、ヤンキースがフラハティのメディカルチェックで問題を発見した。それが懸念事項になったため、キャッシュマンはトレードを中止した。シュミットやギルのような実績のない若手に頼るのではなく、フラハティをコールやロドンの後ろに配置できたはずだ」とここでもキャッシュマンの〝見極め〟を問題視した。
3つ目が昨オフにメッツを含めた三つどもえの争奪戦となった山本だ。「これが一番痛いかもしれない。過去3年、日本で投手三冠に輝き、間違いなく確実な選手だった。絶頂期の山本にドジャースは10年3億2500万ドル(約495億円)を払ったが、ニューヨークはそうではなかった。キャッシュマンは3億ドル(約457億円)で止めた、2019年にコールに与えた契約よりも高い契約はしたくない、という噂が飛び交った」と致命的な失敗だと見ている。
逃がした魚に見事にやられたヤンキース。今オフはロッテの佐々木朗希の去就が注目されるが、名門の沽券にかけて〝巻き返し〟に燃えるのは言うまでもないだろう。