兵庫県知事選(11月17日投開票)が10月31日告示され、過去最多となる7人が立候補した。パワハラ問題で揺れた斎藤元彦前知事の出直し選挙にNHKから国民を守る党の立花孝志党首が助太刀宣言での参戦で、選挙戦は混迷が予想されている。
斎藤氏はパワハラ疑惑などで県議会の不信任決議を受け、失職した。この日、出陣式で「メディアの報道に負けずに頑張れの声をいただいた。斎藤か、斎藤以外か。絶対に私は負けない。改革にはいろんな抵抗、反発があるが、ぶつかっていく。県政を進めていく」と訴えた。
知事選には維新を離党した前参院議員で元アナウンサーの清水貴之氏、尼崎市前市長の稲村和美氏、共産党推薦で医師の大沢芳清氏、レコード会社経営の福本繁幸氏、ニュース分析会社社長の木島洋嗣氏らが立候補し、内部告発から始まった県政の混乱を収めたいなどと訴えている。そんな中、「当選を目的としない選挙に臨んでいる」「メディアの発する情報がおかしい」との主張で、無所属で立候補したのが立花氏だ。
斎藤氏のパワハラ問題を巡る県や県議会の対応に疑問を覚えた立花氏はメディアぐるみでの「斎藤イジメ」を指摘し、選挙戦ではその裏側に焦点を当てていくことで、斎藤氏の再選をサポートするとしている。
ただ立花氏を巡ってはすでに混乱があった。立花氏は当初、県知事選に10人以上擁立しようと候補者の公募に動いた。県選管側は56人が立候補した東京都知事選で、ポスター掲示場の枠が足りなくなる事態を危惧し、当初設置していた10人分からかさ増ししていき、最大26人まで対応できるようにした。結局、立花氏は自身のみの立候補となったほか、2人の候補者が直前で辞退し、7人に落ち着き、選管の取り越し苦労となった。
県政の混乱で、愛想を尽かしている県民も多い中、立花氏はなんとか選挙戦に目を向けさせたい考え。斎藤氏を支援するために何らかの仕掛けを用意しているとみられ、最後まで不透明な情勢となりそうだ。