グラミー賞受賞歴のあるラッパーのヤング・サグ(本名ジェフリー・ラマー・ウィリアムズ)被告が10月31日、米ジョージア州史上最長の刑事裁判で、司法取引を受け入れ、ギャング団のリーダーであると告発された事件で有罪を認めることに同意した。米ABCニュースが1日、報じた。
ウィリアムズ被告は2022年5月に、州のRICO法(威力脅迫及び腐敗組織に関する連邦法)違反の共謀とストリートギャング犯罪活動への参加の各1件で起訴され、その後、ストリートギャング活動への参加、ジョージア州規制薬物法違反3件、重罪犯としての銃器所持、機関銃所持の追加罪で起訴された。
2023年11月に始まり、ジョージア州で最も長期にわたる裁判となっているこの刑事裁判を通じて、検察は、ウィリアムズ被告がジョージア州フルトン郡の「ヤング・スライム・ライフ(YSL)」というストリートギャングの共同創設者であり「自称リーダー」であると主張。YSLは10年以上にわたり、フルトン郡のクリーブランド・アベニュー地域を支配してきたという。
ウィリアムズ被告はこれまで一貫して無罪を主張していたが、31日午後、法廷で、銃器所持関連については有罪を認め、共謀およびストリートギャング犯罪活動への参加の容疑については争わないことに同意した。2022年5月の逮捕以来、投獄されていたが、自宅軟禁で釈放される。量刑は後日、裁判官が最終決定する。懲役15年以上になるとみられる。
フルトン郡上級裁判所のペイジ・リース・ウィテカー判事は「有罪を認めるのはあなたの決断ですか?」と尋ねた。「はい」とウィリアムズ被告は答えた。
ウィリアムズ被告は法廷で「自分の犯した罪と容疑について全責任を負う。自分が何をもたらすか、自分が何者であるかを知っている。自分が到達した高みを知っているし、コミュニティーの人々に与えた影響も知っている」と述べた。
被告の弁護士ブライアン・スティール氏は審問後、裁判所の外で「これはジェフリー・ウィリアムズにとって正義であり、彼も私たちと同様に喜んでいる。感謝している」と話した。
この裁判は全米で注目を集め、検察官が彼の歌詞や被告人の一部が歌った歌詞をこの事件の証拠として物議を醸したため、事件はさらに注目を集めることになった。
この歌詞の使用は、言論の自由の擁護者やヒップホップ界の著名なミュージシャンやプロデューサーから激しい怒りを引き起こし、彼らはラップ音楽とその作曲過程は芸術的表現の一形態であり、必ずしも現実を反映したものではないと主張した。