ドジャースからFAとなるテオスカー・ヘルナンデス外野手(32)が1日(日本時間2日)の祝賀イベントで惜別とも取れる涙のスピーチをした。
マイクを握ったT・ヘルナンデスは「感謝の気持ちを伝えたい。私は勝つためにプレーしている。ドジャースという組織とこの街、このチームが優勝する手助けをしてくれて、ここに来る機会を与えてくれた。みなさんのおかげで夢が叶った。私を世界チャンピオンにしてくれてありがとう」と涙を拭きながら感謝した。
キャリアハイの33本塁打を放ち、優勝を決めたヤンキースとのWS第5戦では5回に値千金の同点打を放つなど、シーズンを通して勝負強さを発揮。ムードメーカーでもあり、世界一に欠かせない存在だった。1年契約を終えてFAとなるが、ドジャースの環境を気にっており「ドジャースが最優先。来年またこのチームでプレーするためにできることはすべてやるつもり」と再契約を希望。その一方で「ただ自分の手で決められることではない。私がどうこうできる状況ではないが、可能ならドジャースを選ぶ」と微妙な言い回しをしている。
昨オフにマリナーズから1年2350万ドル(約36億円)で入団。打率2割7分2厘、33本塁打、99打点の今季の成績を見ればさらに大型契約を結べる可能性は十分ある。しかし、ドジャースの場合は投手陣の補強はもとより、ヤンキースからFAとなる同じ外野手のフアン・ソトの動向も見逃せず、他にFAとなるフラハティ、ビューラー、K・ヘルナンデスなどを考慮すれば、T・ヘルナンデスの去就は不透明と言わざるを得ない。
米メディア「BVMスポーツ」は「彼の好調なシーズンは他のチームの関心を引き可能性があると予想され、ロサンゼルスに留まりたいという彼の願いを複雑にしている。彼のスピーチはドジャースとの深いつながりを要約しているが、FAの現実は個人の野心とコミットメントの間の微妙なバランスを浮き彫りにする」と伝えた。
「ここにはいい思い出がたくさんある。選手として、人間として多くのことを学びました。このチームの一員になれてとてもうれしい」。果たして涙の本当の理由は…。