バルセロナ五輪柔道銀メダルで、プロレスラーとしても活躍した〝元暴走〟小川直也氏(56)が、自身のユーチューブチャンネル「小川直也の暴走王チャンネル」を更新。プロレス時代に経験した、超大物からの出馬要請を明かした。
10月27日に投開票が行われた衆議院選挙を振り返る動画の中で、2022年7月に銃撃されて死去した、安倍晋三元首相との交遊を回顧。04年7月の参院選と05年9月の衆院選で、自民党の幹事長だった安倍さんはプロレスファンだったこともあって、当時プロレスイベント「ハッスル」で大人気だった小川氏に選挙応援を要請した。
小川氏も快諾し、九州での遊説に同行したが「すごかったねえ。政治家ってこういうものだったんだなって。猪木さんみたいに背中を見せてくれた。政治家っていいなと思った」と、プロレス・格闘技の師匠で参議院議員を2期務めた故アントニオ猪木さんと重なるものがあったと振り返る。
その上で小川氏によると、安倍氏から出馬の要請があったという。だが、当時は「ハッスル」のエースで、総合格闘技イベント「PRIDE」にも参戦していた。「オレも真剣に考えたけれど、格闘技のほうもやっていたし、これは無理だと。ありがたいお話をいただいたんだけど」と、断りを入れたという。
このエピソードは安倍さんの死去時にも明かしているが、さらなる国政選挙への出馬話を披露。「猪木さんを通じて来たよ」と、師匠の〝燃える闘魂〟からも「選挙に出てみろ」と話があったとか。取材によれば、旧IGF時代に某党の関係者が小川氏の主宰する小川道場まで「猪木さんから紹介された」と訪ねてきた。小川氏は「安倍さんを断った以上は『もうないな』と思っていた。やるんだったら(安倍さんの元へ)弟子にしてください、と言いに行ったよ。何の勉強もしてなくて、名前だけの政治家になったって続かねえもん」と、こちらも断ったという。
なぜ、天下の安倍&猪木からの勧めを蹴ったのか。「やりたいことは、そっちじゃないじゃん。何とか猪木さんに認められたい。師匠に教わったことを世間に認めさせるまではっていう気持ちがあるわけ」とプロレス・格闘技で踏ん張り、〝猪木イズム〟を伝えていくことを選んだのだという。
暴走王は18年6月に現役引退を表明した。現在はプロレス・格闘技界から離れているが、今後の政治家転身について問われると「今じゃないでしょ!」と笑顔で答えていた。