F1ブラジル・グランプリ(GP)決勝が3日(日本時間4日)に行われ、大荒れの展開で見せたRBの角田裕毅(24)による衝撃走に称賛が集まっている。
角田は最終的に7位入賞と上々の結果を残したが、アジア人初となる優勝の快挙もありえた中身の濃いレースだった。
RBのマシンは今週末の雨のコンディションと相性が良く、角田は予選で自己最高の3位と大躍進。そして決勝ではスタートもきっちり決めて、序盤戦で激しいバトルを繰り広げながら3位を死守する。
そして29周目にピットインすると、上位勢がすべてインターミディエートタイヤ(汎用性のある小雨用)を履く中で、RB勢はフルウエットタイヤ(大雨用)を選択。6位でレースに復帰した途端に雨脚が強くなってフルウエットタイヤにとって絶好の展開となった。すぐ前を行くランド・ノリス(マクラーレン)と比べてわずか1区間で約3秒も速い猛ペースで、1周走れば一気にトップへ躍り出ることもできるほどだった。
この展開に世界中のファンから期待が高まったが、その直後に大雨が危険と判断した国際自動車連盟(FIA)がセーフティーカー(SC)を入れる無情の判断。その間はコース全域で追い越し禁止となるため、上位勢で最も速かった角田は順位を上げることができなくなった。雨が弱まるまでセーフティーカーとなったため、フルウェットタイヤの選択は無意味となり、その後に赤旗中断となった影響もあって、角田は順位を下げることになった。
FIAの判断の是非について議論が沸騰する中で、角田の優勝を期待する声も沸騰している。
ファンからはSNS上で「完全にタラレバだけどあのままSCが入らずコラピントが散らなければマジで角田くん優勝有り得た」「これ展開次第では角田君の優勝とか表彰台あったんだろうな…久しぶりに予選からワクワクするレースだった」「ウエットタイヤ変えたタイミング最高だったからレース続行なら優勝の可能性高かった。訳わからん赤旗出すならF1では完全ウエットレース辞めちまえ!!」などと角田の快挙を夢見たファンの声が続出している。
角田もレース後にチーム公式サイトで「レース中、赤旗が私たちにとって悪いタイミングで出され、アルピーヌが多くのポイントを獲得してしまった。間違いなく複雑な気持ちの一日だ」などと悔しさをにじませるようにコメントした。
FIAがあと1周でもセーフティーカー導入のタイミングを遅らせていたら…アジア人初優勝という歴史が動く瞬間が見られたかもしれない。