半端ない影響力だ。バレーボール男子でパリ五輪代表の高橋藍(23=サントリー)は、甘いマスクと確かな実力で多くのファンを魅了。インスタグラムのフォロワー数は276・5万人を誇り、先月に開幕した新リーグ・SVリーグでも「顔」として注目される。そんな高橋の人気は、すでに〝ワールドクラス〟の領域に突入しているようだ。
サントリーは4日の東京GB戦(東京・有明アリーナ)に3―0で勝利。高橋は左足首の違和感で今季初めてベンチ外となり、電気治療などを受けながら戦況を見守った。高橋のユニホームを着たファンからは「出ないのか…」と落胆の声も上がったが、本人が試合後にファンへ向けて手を振ると、大きな歓声が飛び交った。
ファンの視線を独り占めする若きスパイカーの認知度は、日本以外でも右肩上がりだ。今夏のパリ五輪直後には、2020年から高橋をサポートする健康食品会社サン・クロレラが運営するインスタグラムのライブ配信に出演。国内外のファンから200件以上のコメントが寄せられ、アーカイブでも13・5万人以上が視聴した。
取材に応じた同社の担当者は「日本語以外の方は、英語を使ってコメントしてくださることが多いが、英語じゃない言語も結構あった。ラテン語系もあったし、イタリアでプレーしていたので、イタリアでの認知も進んでいる。かなり海外からも引きがある」と説明。
かねてアジア圏での認知度が高かった中、直近では「欧州やメキシコなどでも人気が高まっている」と明かす。同社のホームページに掲載されている高橋に関するぺージのアクセスを解析したところ、1位日本、2位米国、3位メキシコだったという。
同担当者は高橋の実力が世界で認められたことが、人気に拍車をかけた要因の一つだと分析する。「アジア圏以外の欧州や他の地域で、どんな反応が来るかは正直わからなかった。でも、ラテン系の方たちも含めて反応が来ている。ラテン系の方はアジア圏内と違って、なかなかビジュアルだけでは注目してくれない。実力が伴った上でビジュアルも魅力的なので、注目度が高いのだと思う」と指摘した。
世界が認めるスターに成長した高橋は「バレーボールをもっと盛り上げていきたい」と競技の普及にも尽力。次戦の東レ静岡戦(9日、香陵アリーナ)は左足首の状態を見て出場の可否を決めていく方針だが、日本だけでなく海外のファンも一日も早い回復を心待ちにしている。