DDTのKO―D無差別級王座から陥落した〝バカサバイバー〟こと青木真也(41)が、「いったんの引退」を宣言すると同時に次なる標的を定めた。
クリス・ブルックス(33)とのV4戦(4日、東京・墨田区)は、王座返り咲きを狙う挑戦者の粘りに苦戦した。終盤に蒼魔刀で打ち抜かれて動きを止められると、最後はハウス・ピアノ・デス(変型オクトパスストレッチ)に捕まり無念のギブアップ。「立派なチャンピオンだと思います」と新王者をたたえた。
その後、肩を落としつつ取材に応じた青木は「ベルトの重圧を感じる3か月だったよ。おかげで最近は身近な人に厳しく当たってしまったり、控室がないだけで仕事から帰ってしまった」と声をしゃがれさせる。それでも「それくらい、ここで真剣に取り組むことができてよかった」と王者時代を振り返った。
一方、プロレスで初めて保持したシングル王座と向き合ったことで〝燃え尽き症候群〟に陥っているという。「だからいったん引退しようと思う。一人の老害に戻ります」。同時に「次はLIDET・UWFに本腰を入れようと思う。いったん引退したからこそ、LIDET・UWFを取りにいきたい。中嶋勝彦戦が実現するなら控室がなくてもいいよ」とメガネを光らせた。何のための「いったん引退」かはさっぱり分からないが、とにかく中嶋が持つGLEATのベルトに狙いを定めたようだ。
ひとしきり話した青木は自転車にまたがり「ONEは気をつけろ。俺は控室がないと帰っちゃうぞ」とシンガポールに向かってつぶやく。最後は「もしかしてマイキー・ムスメシも控室がなかったんじゃないか?」と意味不明なことを口にし、錦糸町から走り去った。