米SNSで話題のリス「ピーナツ」がニューヨーク州環境保全省によって飼い主から取り上げられ、狂犬病の検査として殺処分されたことで、飼い主と米国民が反発した騒動が拡大している。同省の事務所10か所に爆破予告の電話が掛かってきたという。米紙ニューヨーク・ポストが4日、報じた。
ピーナツは赤ちゃんの時にマーク・ロンゴさんに拾われ、7年間、大切に育てられた。家具の上からロンゴさんの手の上に飛び乗るなど、インスタグラムでさまざまな芸を披露し人気者となった。殺処分前のフォロワー数は約42万だったが、理不尽な殺処分への反発からか、現在は72万超(日本時間5日午前10時時点)となった。
10月30日に環境保全省が元野生動物のピーナツを押収し、狂犬病の検査のために殺処分した。法執行機関の情報筋によると、この日以降、同省に爆破予告が相次いでいるという。
この脅迫を受けて、キャシー・ホウクル州知事は沈黙を破った。ただし、ホウクル氏はピーナツの死については言及しなかった。
ホウクル氏の事務所は「過去48時間で少なくとも10件の爆破予告が環境保全省に掛かってきた。ホウクル知事は、こうした暴力の脅迫を強く非難し、こうした脅迫の捜査と州職員の支援に尽力したニューヨーク州警察に感謝する」と声明を出した。
この殺処分問題について、地元政治家が法案「ピーナツ法:人道的な動物保護法」を提出するなど、大きな動きになっている。
そんな中、大統領選を戦っているトランプ前大統領の副大統領候補J・D・ヴァンス上院議員は、4日の集会でこの騒動に加わった。
「ドンがリスのピーナツに夢中になっているのは分かっている」とヴァンス氏はトランプ氏について語った。
「ドンはこう言った。『ほら、民主党がリス界のイーロン・マスクを殺したって本当か?』。このリスの動画を見たことがありますか? 彼は天才です。何十万人もの不法移民犯罪者がわが国に入ってくることを気にもとめない政府が、われわれがペットを飼うことを嫌がる。まったくおかしなことです」
有名人も動き出した。名作SF「スタートレック」のジェームズ・T・カーク船長役で知られる俳優ウィリアム・シャトナーは4日、Xに「ピーナツについて最近、聞いたばかりです。彼は7歳で、7年間ペットとして飼われていました。ペットでいることしか知らなかった彼を、どうして野生動物とみなせるのでしょうか? ニューヨーク州ではどんな動物についてもそう言える。ニューヨーク環境保全省は恥を知れ」と投稿した。
この投稿に実業家イーロン・マスク氏は「本当にめちゃくちゃだ。私たちがきいたことのないような出来事が何回起こるんだ」とコメントした。