SNSで大人気だった米ニューヨーク州のリスが先週、不透明な理由で州当局に押収され、安楽死処分されたことにファンや市民らが激怒。きっかけは匿名人物が根拠なき「麻薬密売」を通報したことだった。
米ニュースサイト「TMZ」によると、ニューヨーク州北西部シェマング郡で動物保護活動を行っているマーク・ロンゴさんは7年前、母リスを失った幼い「ピーナツ」を保護し、家の中でアライグマの「フレッド」と一緒に育ててきた。
そんなピーナッツとの生活を記録した画像や動画をロンゴさんはSNSで発信。インスタグラムとTikTokのフォロワー数は合わせて350万人を超え、ピナッツは〝世界一有名なリス〟として人気を集めていた。
ところが先月30日、同省や警察などの捜査員十数人が突然、ロンゴさん宅に捜査令状を持って訪れ、5時間にわたり家宅捜査を行った。その間、捜査員は野生動物だったピーナツとフレッドをペットとして飼育するために必要な許可を得ていないとして2匹を保護。その2日後、職員をかんだとして当局は「狂犬病予防のため」、2匹を安楽死処分にしたという。
TMZの取材にロンドさんは、「家宅捜査は自分が麻薬を密売しているという匿名の通報により、何の根拠も無しに行われた」と憤り、「家族であるピーナツとフレッドを殺した」として当局に対し、法的措置を検討していると語った。捜査の結果、ロンドさんの薬物密売疑惑はデマだったことが判明した。
ロンゴさんと妻は自宅の広大な土地を使って、さまざまな野生動物を保護。ロンゴさんは、ピーナツの名を冠した基金を設立し、寄附金やSNSで得た収入などを活動費にあてていると同サイトに語った。