阪神・藤川球児監督(44)が、5日に引退を表明したソフトバンク・和田毅投手(43)にねぎらいの言葉を贈った。
「本当にご苦労さまです、おめでとうございますと伝えたいです」
1980年生まれの藤川監督にとって、81年早生まれの和田は同学年の〝同級生〟。高校2年生の頃に練習試合(高知商―浜田)で初めて対戦したといい、「僕が左バッターで。後ろに座り込むぐらいのカーブを投げられた記憶があって。この左投手は技巧派なのにすごいなと思いましたね」と当時の印象を明かした。
プロ入り後はともに〝松坂世代〟として球界をけん引。06年のWBC、08年の北京五輪で同じ日本代表のユニホームに袖を通し、14年には米大リーグ・カブスでもチームメートとしてプレーした。「後輩の選手もすごい影響を受けただろうし、ランニングもよくする選手で、自分の体をコントロールすることに、すごく長けていた選手なんで。本当に最高のレフティーでした」
昨晩は電話で言葉を交わし、〝MLB経験者〟だからこそ「おめでとう」の言葉をかけたという。「アメリカでは(引退時に)〝コングラチュレーション〟と言うのでね。たくさんのハードルがある中、乗り越えてこれたということなので」。
また、虎将は、パ・リーグ最年長左腕の引退決断に「理由が〝コンディション〟ということで、自分と全く同じでしたし、ついにそれが来たかと」と率直な思いを明かしつつ、「次、何しようかってのはおそらく見えているんですよ。次の世界へという感じが、おめでとうと。そう言えるのが素晴らしいなと思います」とうなずいた。
現役時代はライバルでもあり、同級生投手として切磋琢磨した最後のダイエー戦士が新たな一歩を踏み出す。藤川監督は、「今はそんな意識はないですけど」としつつ、「他球団と戦うためにチームのこともいろいろ考えていると、もし(和田が)監督になったら、ライバル心っていうのは出てくるかもしれないですね」と静かに闘志を燃やしていた。