米AEWのケニー・オメガ(41)が、新日本プロレスのゲイブ・キッド(27)に嫌悪感を抱いている。憩室炎で長期欠場中のケニーは4日の大阪大会に来場し、新日本やAEWなどの合同興行「レッスルダイナスティ」(来年1月5日、東京ドーム)での復帰を宣言。ところが、直後のバックステージでゲイブと大乱闘を繰り広げる事件が起こった。絶縁宣言まで飛び出した今回の騒動、果たして〝真相〟は何だったのか――。
憩室炎で昨年末から長期欠場中のケニーは大阪大会に来場すると、1・5ドームでの復帰を予告。10月に対談した棚橋弘至社長からの要望に応える形で「新日本が誇る新星の一人と戦いたい」と新世代との対戦を提案した。
しかしコメントを終えて控室へ戻ろうとしたところで、事件が勃発。通路から英語での口論が聞こえたため関係者たちが駆けつけると、何とケニーとゲイブが大乱闘を繰り広げていた。周囲の制止で引き離されたものの、Fワードを叫び合う両者の間には、ただならぬ緊迫感が漂っていた。
いったい何があったのか。大阪大会から一夜明け、取材に応じたケニーは騒動の経緯を明かした。ケニーによれば控室へ向かう途中、ゲイブと「バレットクラブ」のロビー・エックスと遭遇したという。
「初対面のエックスとはちゃんとあいさつができた。でもゲイブが『お前の好きな時に、この団体に出ようと思うなんて何さまのつもりだ』みたいなことを言ってきて…。確かに以前、インタビューでゲイブの名前を間違えたことがあって、それは俺が悪かった。でも急に俺のことを突き押して、ファイティングポーズを取ったんだ。俺はすぐにAEWで起きた事件のことを思い出した」
ケニーが言う〝事件〟とは、2022年9月にAEWのバックステージで起きたCMパンク(現WWE)らとの騒動だ。当時は複数選手にベルトはく奪や出場停止処分が下され、団体のその後に大きな影響を及ぼした。
ただし今回に関しては「俺は新日本の副社長でもないし、自分の安全を守る必要があった。ゲイブの噂もいろいろ聞いていたから危険を感じた。結果的に俺から先に手を出してしまったんだけど、それは身を守るためだ」と〝正当防衛〟を主張する。
いずれにせよリングと無関係の場所での選手同士のトラブルに苦い過去を持つケニーにとって、ゲイブの唐突な暴力行為は許しがたいものだったという。「あえて名前は言わないけど、アイツと同じようにゲイブもプロ失格だと思った。AEWの悪口をいろいろ言ってきたが、それは今となっては関係ない。とりあえずゲイブは信用できない」とまくしたてた。
「もちろん1・5で復帰したい気持ちは変わらない。日本のファンと新日本のリングが好きなんだ。でも俺はプロじゃない人間と試合をしたくない。時間を無駄にはしたくない。ニューフェースはたくさんいる。大岩(陵平)でも成田(蓮)でも辻(陽太)でも海野(翔太)でもカラム(ニューマン)でも誰でもいい。何ならゲイブと違って、あいさつのちゃんとできるロビー・エックスでもいいと思ってるよ」
ケニーの言葉だけを聞けば、もはや両者の関係は修復不能。一線を越えた乱闘騒ぎは、正真正銘の〝禁断の扉〟を生み出してしまった。