【取材の裏側 現場ノート】国内ゴルフツアーの人気は〝女高男低〟が続いている。ゴルフファンなら異論のある方は、ほぼいないだろう。記者もその一人だが、悲観的な見方も少なくない男子人気の未来に、以前より希望を持てるようになった。
10月24~27日に行われた日本開催の米ツアー「ZOZOチャンピオンシップ」(千葉・アコーディア習志野CC)を取材していた時のこと。国内男子ゴルフ界の人気を引っ張る石川遼(33=CASIO)が、世界最高峰ツアーを日本で行うことによる変化を、以下のように語っていたのだ。
「レベルアップしよう、世界に行こうと思っている国内ツアーの選手はすごく多い。いいタイミングでZOZOさんが、こうやって大会を開催していただいて、出られた選手がみんな吸収して、俺も(米ツアーに)行きたいなという循環になっている。(「ZOZO――」がスタートした)2019年とか20年とかくらいから(国内ツアーで)急激に選手の年齢層も変わった。最終戦・日本シリーズの平均年齢は20代になると思う」
続けて、さらなる若年層への波及効果もあるとした。「20歳にいってなくても海外志向で、本大志君なんかは、高校卒業して米国の大学に行くと言っているし、サッカー、野球もそうだったように、ゴルフもレベルがグローバル化していく時代になっていくと思う。世界しか見てない選手が増えたなと」。
その先に待っている未来はどうなるのか。石川は「これから10年後とかに、状況は変わっているかもしれない。もし、日本の選手たちが海外で結果を出すようになっていれば、ZOZOさんの影響はすごく大きいと思う」と思いを巡らせた。
「ZOZO――」は今年で6年契約が終了。来季に日本で米ツアーが行われるかは未定となっているが、国内男子ゴルファーのさらなるレベルアップに向けて、継続開催や別のスポンサーによる国内での同ツアー続行を願うばかりだ。(ゴルフ担当・森下 久)