米大統領選挙でカマラ・ハリス陣営が3日に最後の追い込みをかけ、元大統領らが激戦州で演説した。バイデン大統領も応援しようと張り切っていたが、ハリス陣営から「家にいてください」と言われ、家にこもってネットフリックスを視聴し、「孤独で途方に暮れた」(内部関係者)という。英紙デーリー・メールのワシントンDCのホワイトハウス上級特派員が5日、伝えた。
現職大統領を味方につけることは、大統領選の最後の数時間で、かなり有利になるはずだ。しかし、民主党大統領候補のカマラ・ハリス副大統領の場合はそうではなかった。
3日、ハリス陣営が最後の追い込みをかける中、スターぞろいのチームを編成し、接戦となっている激戦州に派遣した。
バラク・オバマ元大統領はウィスコンシン州での集会に出席。ビル・クリントン元大統領はノースカロライナ州で選挙活動をしていた。現ファーストレディーのジル・バイデン夫人もハリス氏を支持し、ペンシルベニア州で有権者にあいさつした。
しかし、バイデン氏の姿はどこにも見当たらなかった。
バイデン氏は故郷のデラウェア州ウィルミントンに隠れ、古い友人とゴルフクラブで長い昼食を楽しんだ。
その数日前、バイデン氏は、共和党大統領候補のトランプ前大統領の支持者を「ゴミ」と呼んだとみられる失言で、ハリス氏を困惑させ、これが決定打となったようだ。ハリス陣営からバイデン氏へのメッセージは「家にいてください」「近づかないでください」と明確だったという。
米メディア・アクシオスの報道によると、先月、ハリス陣営は、選挙活動でハリス氏を支援するというバイデン氏の再三の申し出を拒否していたそうだ。
バイデン氏が応援を買って出ようとしても、ハリス陣営からの回答は毎回「折り返しご連絡いたします」だった。
内部関係者はメール紙に、「孤独で途方に暮れたバイデン大統領はテレビを見る時間が増えた」と語り、7人の孫がネットフリックスで何をストリーミングすればいいか勧めているという。
ハリス氏は、自身が「ジョー・バイデン氏の継続」ではないことを強調することに腐心している。自身が副大統領として活動してきたと主張しながらも、移民危機、インフレ、外国戦争に関するバイデン氏の実績から遠ざかろうとしてきた。
もちろん、バイデン氏は日々のブリーフィングに忙しくしているが、側近らによると、バイデン氏の焦点は大統領図書館の場所の決定や慈善事業であるバイデン財団の再開など、将来に移っているという。