令和の怪物は海を渡るのか。ロッテ・佐々木朗希投手(22)の去就が大きな関心を集めている。
5日(日本時間6日)から米テキサス州サンアントニオでGM会議が始まったことに先駆け、米メディアでは今オフにもポスティングシステムでMLB移籍を目指す可能性がある佐々木に関する報道が過熱。
米メディア内でも「佐々木のポスティングをロッテ側が拒否した」や「佐々木がロッテのオファーを断った」など情報が錯そうする中で「ニューズウィーク」が「ドジャースは日本のスーパースター、佐々木朗希の獲得が予想されるチームの一つ」、「ドジャースネーション」も「佐々木朗希の大補強はドジャースに好材料」など続々と伝えられている。
以前にも「USA TODAY」の敏腕記者、ボブ・ナイチンゲール氏が某GMの話として「ドジャース以外の選択肢はあり得ない。誰もが知っていることだ」と伝えたこともあり、〝ドジャース入団〟がすっかり独り歩きしている感すらある。
その大きな根拠となっているのはドジャース幹部の〝本気度〟と環境だ。フリードマン編成本部長は右腕の今季最終登板となった10月1日の楽天戦(楽天モバイル)を直接視察。「いい投球だった」と評しただけでなく、ドジャースには今季から大谷翔平投手(30)や山本由伸投手(26)が加入し、チームに溶け込みやすい状況が整っていることが挙げられる。
しかし、既成事実化されつつある状況を快く思わない米国ファンも少なくないようだ。欧米スポーツを多く扱う「スポーツキーダ」は「このニュースはMLBファンの間では不評だ」とバッサリ。「ドジャースはワールドシリーズで優勝したチームであるだけでなく、チームの主力選手の多くが長期契約を結んでいる。そのメンバーに佐々木が加わることはライバルチームのファンが見たいことではない」と斬り捨て「気分が悪くなりそうだ」「ドジャースが日本選手を獲得することを禁止しろ。独占だ」「現実と同じ。金持ちはますます金持ちになり、貧乏人はますます貧乏人になる」「大谷、由伸、朗希の3人が先発すれば、2025年シーズンに向けて危険なチームになる」といった〝アンチ派〟の声を紹介している。
もっとも、佐々木自身は今年1月末にズレ込んだ契約更改後の会見で将来的なメジャー挑戦の夢こそ口にしたが、今オフについては一切言及していない。本人が置き去りにされたまま話がどんどん進んでいるが果たして――。