【岡田紗佳のもう一度見たい麻雀Mリーグ】
10月29日第1試合 東3局3本場=鈴木優(P)、高宮まり(格)、内川幸太郎(サ)、松ヶ瀬隆弥(風)
KADOKAWAサクラナイツの岡田紗佳です。役満の国士無双をテンパイしてもリーチすることはほとんどないのですが、この試合では珍しいシーンが見られました。配牌10種11牌の松ヶ瀬選手は切り出しが6萬のトイツ落とし、2萬を手出しして、早くも4巡目に国士一向聴となります。ここで国士には全く不要な3索を残し、3枚持ちの1筒を手出しして、ボカします。次巡、9筒を持ってきて場に3枚切れの南待ちでテンパイし、いつもの感じでリーチを宣言しました。
国士をテンパイした場合はヤミテンで待ち構えることがほとんどですが、このケースはリーチした方が明確にアガリ率は上がります。その理由としてリーチはやはり怖く他家の手牌を曲げることができるため、時間稼ぎすることができます。実際に親の内川選手、優選手ともいい手牌だったのですが、真っすぐアガリに向かうことはできなくなりました。できるだけ長引かせて、どこにあるのか分からない残り1枚の南を待とうということです。
そして何よりリーチ宣言、松ヶ瀬選手の捨て牌からとても国士とは思えません。手役を考えると何かを狙った進行ではありそうですが、6萬をトイツ落とししているので七対子は消えます。1筒の後に3索なので、索子の一色手やチャンタ系かなと感じそうです。国士とは到底思えず、国士にしか当たらない4枚目の南をつかんだ人は、ベタ降りしていても安全牌感覚で切るでしょう。
これが先に南を持ってきて9筒待ちでテンパイしていたら、リーチしていなかったと思います。9筒はリャンメンに当たりうる牌ですし、すでに捨てている高宮選手はつかんだら切るでしょうし、他の人も使いにくい牌です。だからヤミテンの方が出アガリ率は高いです。
結果はドラドラの高宮選手が一発消しの意味も込めて鳴いて手を進め、松ヶ瀬選手からタンヤオドラドラでアガリました。
こういう結末になったのでやはりリーチをしなかった方が良かったと考える人もいるかもしれませんが、どうせリーチしなくても残り1枚の南が山に深かったらアガれていないので、最善の選択だったと思います。
Mリーグでは一昨シーズンを最後に約1年半ほど役満が出ていません。この試合では松ヶ瀬選手の前に高宮選手が四暗刻をテンパイしましたが成就しませんでした。ここまで出ないとなると、私が出すまで待っていてほしいです(笑い)。