米環境保全省によって殺処分された人気リス「ピーナツ」の飼い主は、大々的な葬儀を計画しているが、同省がピーナツの首を切断し、頭部がないのではないかと心配している。米紙ニューヨーク・ポストが6日、報じた。
ピーナツは赤ちゃんの時にマーク・ロンゴさんに拾われ、7年間、大切に育てられた。家具の上からロンゴさんの手の上に飛び乗るなど、インスタグラムでさまざまな芸を披露し人気者となった。しかし、10月30日に環境保全省が「野生動物だ」としてピーナツを押収し、狂犬病の検査のために殺処分した。この〝事件〟に対して、地元議員が「ピーナツ法」を提出し、同省への爆破予告が相次ぐなど、全米を揺るがしている。
悲しみに暮れるロンゴさんは、同省が自宅を捜索し、リスを連れ去り、狂犬病検査のために殺処分したことを受けて、同省を相手取って訴訟を起こす予定だという。
「きちんと埋葬してあげたいと思っています」とロンゴさんはポスト紙に語った。ピーナツの葬儀は、人間の葬儀場で大々的に執り行われる予定だ。
「しかし、7日たっても遺体は戻ってきません。狂犬病検査の結果も出ていません」
同省は、ピーナツとロンゴさんのペットのアライグマ「フレッド」に狂犬病検査を実施したというが、検査には脳のサンプルが必要だという。首を切断され、頭部から脳を取り出された可能性について考えるだけで、ロンゴさんは身震いする。
「これはリスとアライグマの問題よりずっと大きい。政府の権限の濫用だ。私たちは私の家で起きたことに対する正義を求めている。あなた方は私の家を侵害した。私の動物を殺したのだ。権力の大幅な行き過ぎに対して誰かが責任を問われる必要がある」
ロンゴさん、弁護士のノラ・マリノ氏を雇っており、同省から同じ目に遭わされた人は訴訟の準備を進める中で連絡をくれることを期待している。
「もしあなたに同じことが起こったら、あるいは誰かに同じことが起こったのを知っているなら、ぜひ連絡してください。私たちは行動を呼びかけなければなりません」とロンゴさんは語った。