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【佐藤優コラム】大阪地検はどうかしている 関西検察の病巣を除去する必要がある

東スポWEB 2024年11月7日 16時4分

大阪地検はどうかしている。部下の女性検事に性的暴行を加えたとして起訴された元大阪地検検事正・北川健太郎被告(65)の初公判が10月25日に大阪地裁で開かれた。

検察側の冒頭陳述に関する報道を読んで筆者は驚愕した。

<女性は供述調書のなかで、「会合の途中から犯行時まで記憶がない」と説明している。/「意識がぼんやり戻ったときには行為をされていた。嫌がったり抵抗したりしたら殺されるかもしれないと思った」「夫が心配しているから帰りたいと伝えても行為は続いた」といい、北川被告からは「これでお前もオレの女だ」と言われたという>(10月25日「朝日新聞デジタル」)

こういうときは、言葉の細かいニュアンスが重要だ。北川被告人は「これでお前もオレの女だ」と言った。「も」という助詞は、この種の事件が本件にとどまらないことを示唆している。北川被告人は他の女性にもこの種の事案を起こしているのではないかと疑いたくなる。捜査能力の高い検察官と検察事務官を集めて、刑事事件化できないものも含め、北川氏の「余罪」をきちんと調べておいた方がいい。

被害に遭った女性が、裁判の後に記者会見を行った。そこから見えてくるのも常軌を逸した事件の構造だ。

<被害申告までは約6年かかった。被害後も女性を苦しめたのは、北川被告の振る舞いだったという。「退官後も現職と飲み歩き、検察に大きな影響力を持ち続けていた。私を脅し、口止めし、自分の罪などなかったかのような振る舞いで、被害感情を逆なでし、なんとか生きていこうとした私を踏みにじってきた」>(前掲「朝日新聞デジタル」)

筆者が外務省にいたころも、この種の事案をいくつも見聞きした(男性に性的行為を強要した男性外務省幹部もいた)。

エリートたちが集まる閉鎖集団でこのような事件は起きやすい。大阪地検を中心に関西で一部検察官の人事ルーティーンが行われていることがこの種の事件を生み出す土壌になっているように筆者には思える。

筆者は、現職の検察官にも知り合いが何人かいる。正義感と公益心が強く、真面目に仕事をしている人たちだ。検察官と検察庁の名誉のためにも、関西検察の病巣を除去する必要がある。

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