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【宮崎祐樹連載#11】セガサミー・佐々木誠監督直伝の「フラミンゴ打法」でバカバカ打ちまくった

東スポWEB 2024年11月8日 11時4分

【宮崎祐樹連載 オリのゴリBsを知り過ぎた男(11)】社会人野球セガサミー2年目の2010年シーズン、それまでの練習の成果が一気に結果となって表れました。4月中旬に行われたJABA静岡大会では打率4割2分1厘、ゴールデンウイークに開催される京都大会では打率5割と打ちまくりました。

当時の僕は佐々木誠監督の指導で足を高く上げる独特のフォームで打っていました。これは誠さんから「お前、足上げて打て」と言われたからに他ありません。

僕はもともと、佐々木誠という名前を知っていました。シーズンオフに企画される好プレー珍プレーのテレビ番組内で、あの鷹の目がプリントされた独特のヘルメットで、大きく右足を上げてフルスイングする左打者の姿が印象にありました。

中日、阪神OBのホームランバッター・大豊泰昭さんと佐々木誠さんのイメージがかぶっていて、一本足打法のシルエットに記憶がありました。幼いながらに鮮明に覚えていたんです。誠さんから「俺のこと知ってるか? 知ってるなら俺のまねしてみろ」と言われたことが、僕の社会人時代の打撃フォームが出来上がったきっかけです。

僕は右打者なので違いはあるとはいえ、佐々木さんの指導はフィットしました。足をめちゃくちゃ上げてフルスイングです。社会人野球界では「フラミンゴ」って言われていました。「そんなんで打てるんかい!」と相手ベンチから容赦ないヤジが飛んできましたが、バカバカ打ったので何も問題なかったです。

後に聞く話ですが、セガサミーの後輩でDeNAベイスターズの宮崎敏郎の打撃フォームと、僕のそれはすごく似ていたそうです。僕には分からないんですが、周囲の方々が口をそろえて言っていましたね。結構、腕に動きを入れてヒッチもするし、コックも入れる独特のフォームだとは思います。動きを出すことでタイミングを取っているんです。

打撃フォームは体格やプレースタイルによって全員にマッチする絶対というものは存在しないと思います。誠さんや黒川コーチからは調子が悪くなった時の修正ポイントをたくさん持っておけと言われましたね。あと、プロでは必ずフォームを崩されるから、それでもスイングに100%の力を伝えられるよう練習しろと指導されました。
崩されても手首だけでホームランを打てるように。逆に嫌なボールは力を抜いてファウルにする。いろんな打撃の引き出しを伝授してもらったおかげで、プロでも打席で粘ることができるようになりました。

本当に死ぬかもと思うくらいに練習を課せられましたが、社会人時代のあの2年もあってのプロ入りだったと思います。佐々木監督からは「お前はプロに行くんじゃ。行けると思ってやるんじゃ。黙ってやらんかい!」と言われ続けていました。プロスカウトの方々も当然、試合を見には来ていました。それも分かってはいました。とはいえ、自分がどこかの球団から指名されるかどうかなんて確証はありません。どちらかというと僕の中では、ドラフトにかかるわけなんかないわ、ぐらいにしか思っていませんでした。

そして、10年ドラフトの当日を迎えます。

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