トランプ前大統領が再選されたことにより、ヘンリー王子はもはやバイデン政権による保護を受けられなくなり、機密の移民書類が公開される可能性が出てきた。英紙デーリー・メールが7日、報じた。
トランプ大統領の就任は、バイデン政権によってこれまで阻止されてきたヘンリー王子の米国ビザ関連記録に対する米保守系シンクタンクのヘリテージ財団の公開要求が成功する可能性が高いことを意味するという。
ヘリテージ財団のマーガレット・サッチャー自由センター所長のナイル・ガーディナー氏は、同シンクタンクが今回の判決に対して上訴できる可能性が「非常に高い」と考えていると語った。
ヘンリー王子のビザ申請が初めて疑問視されたのは、王子が2023年に出版した回顧録「スペア」で、娯楽目的でさまざまな薬物を使用していたことを告白した後だった。これは移民書類で開示する必要がある内容だった。
ヘリテージ財団は、ヘンリー王子の米国入国資格が失われる可能性があると主張していたが、移民を監督する米国国土安全保障省(DHS)がヘンリー王子のファイルに関する情報公開請求の開示を拒否したため、同省を訴えた。9月に裁判官は、ファイルは当面非公開のままにしておくべきとの判決を下したが、ヘリテージ財団は現在、この決定に対して控訴している。
「確かに、これが起こる(文書公開)可能性は高いと思う。これは大統領の権限だ」とガーディナー氏は語った。さらに「ヘンリー王子の移民記録を公開することは、法の支配をすべての人に平等に適用するという非常に強いメッセージを送ることになる。記録の公開は明らかに国民の利益になる。ヘンリーに隠すものが何もないのなら、記録の公開を支持すべきだ」とも指摘した。
ガーディナー氏は、これらのファイルは来年中に公開され、共和党が多数を占める議会から「公開を求める声が強まる」だろうと予想した。
また英国在住の米国移民弁護士メリッサ・チャビン氏は、ヘンリー王子が国家元首向けのA―1ビザで米国に滞在していれば、トランプ大統領がヘンリー王子を国外追放するのはさらに容易になる可能性があると述べている。