若手に大増量を求めた指揮官の狙いは――。4年ぶりリーグVを達成も日本シリーズ進出を逃した巨人・阿部慎之助監督(45)が8日、選手たちに体重増の大切さを説いた。若手中心の秋季練習で育成1年目の身長179センチ、体重66キロの村山源内野手(19)に「来年のキャンプまでに、10キロ増やせ」と提案した。
監督自身、現役時代に入団時の83キロから飛距離アップのため100キロ超まで増量した経緯がある。「やっぱり食べられる選手は(プロを)長くやっている。若くて育成の子は何か一芸がないとね。パワーつけるとか、体重を増やすのは大事だと思うよ」と、選手寿命を伸ばすため増量を求めた。
シーズン中、村山ら寮生には管理栄養士がカロリーを計算して食事メニューを作成。だがオフに地元に帰れば、自分で考える必要がある。
なかなか太れない若手に阿部監督は「米を食べて、寝る前にペヤング(=カップ焼きそば)。飲み物はコーラ。週に4回くらいは、焼き肉の食べ放題に行って、間食でチョコ食べる」とジョークも交えて増量の〝秘策〟を伝授した。
指揮官が、そこまでこだわるのはポストシーズンまでチーム力を維持するため。今季のローテの柱・山崎伊織投手(26)は開幕から無傷の4連勝を飾るなど順調に勝ち星を重ねたが、夏場に苦しんだ。8月27日のヤクルト戦(神宮)で9勝目をマークも、勝負どころの9月は3戦0勝1敗。V争い佳境で登録抹消となった。2年連続2桁勝利となる10勝目は今季ラストゲームのDeNA戦(10月2日・東京ドーム)だった。
身長181センチ、体重81キロの山崎伊だが「シーズン終盤は体がペラペラになった」(阿部監督)。投手コーチと右腕の肉体改造について真剣に話し合った。
シーズン最終盤でのエース級離脱の苦い経験から「食トレ」の大切さを痛感した指揮官。日本一奪回へ、若手全体の体重アップでチームの底上げを目指す。