来年4月に現役を引退する〝女子プロレス界の横綱〟こと里村明衣子(44)が、スターダムの〝絶対不屈彼女〟安納サオリ(33)との死闘を制した。
2人は「センダイガールズ(仙女)」のビッグマッチとなる「女子プロレスBIGSHOW」(9日、新潟市体育館)メインで、シングルマッチで対戦。胴締めの極楽固めから、変型ペティグリー、ワキ固めで追い込まれた里村は、苦しい展開を強いられた。
何とか場外にエスケープするが、ヒートアップした安納から「オイ! 里村来いや!」とゲキを飛ばされる場面も。直後にもミサイルキックからのフィッシャーマンでたたみかけられたが、コーナートップの安納に蹴りを見舞い追撃をかわす。
その後も猛攻を浴びながらも、目を見開いてスリーパーで捕獲。さらにミドルキックの連打、岩石落としで猛反撃だ。15分過ぎ、安納のタンタンドル、ポテリングをカウント2で返すと、起死回生のオーバーヘッドキックが炸裂。デスバレーボム2発から、最後は必死にくらいつく安納をスコーピオライジング(シャイニング式カカト落とし)2連発で沈めた。
試合後は「安納選手は、今の女子プロレスの象徴の選手だと思っています。強いだけじゃダメ、実力だけでもダメ。キレイでかわいくて広告塔になれて発信力があって頭が良くて、全て揃っているのが安納サオリです」と対戦相手をたたえた。
自身の引退試合は来年4月29日の東京・後楽園ホール大会。里村は「あと半年あるんだよ、辞めるまでに、何度でも突っかかってこいよ」と安納に呼びかけた。
直後、団体最高峰のワールド王座を持つ岩田美香がリングに登場。「私は憧れだけでは終わりたくないんですよ。仙女のトップは岩田美香です。興味ないですか?」とベルトを誇示された。
これに里村は「よくここまで来たな。誇らしいよ。でもな、まだセンダイガールズのトップとは認めねえよ。今の里村を味わってから、勝ってから来いよ。そしたらトップとして認めてやるよ」と返答。17日の後楽園ホール大会でDASH・チサコとのV3戦が決まっている岩田から、30日大阪大会を指定され「待ってます」とメッセージを送られた。
「あと半年、もっともっと里村明衣子をピークに持っていって、里村明衣子を貫きます!」と宣言した女子プロ界の横綱が、激動の引退ロードを突っ走る。