〝大関初白星〟だ。大相撲九州場所初日(10日、福岡国際センター)、新大関大の里(24=二所ノ関)が幕内平戸海(24=境川)を退けて白星発進した。平戸海にもろ差しを許して後退したが、土俵際で突き落としを決めて逆転勝ちした。
取組後は「ヒヤヒヤした。初日の入りは課題」と相撲内容を反省。「一日一番、集中してやるだけ。大関になったことでの違い? 特に何も。まずは15日間、集中すること」と2日目以降へ向けて表情を引き締めた。
審判として土俵下から見守った師匠の二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)は「危ない一番。相手(平戸海)が良く考えていい相撲を取った。勝って良かった。常に完璧じゃないから。こういう相撲を取っていくことも大事」。日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)は「内容はダメだけど、勝ったのが大きい。(2日目以降は)変わってくると思う」と指摘した。
9月の秋場所で2度目の優勝を果たし、昭和以降最速となる初土俵から所要9場所で大関昇進を果たした。新大関で優勝すれば、2006年夏場所の白鵬(14勝1敗)以来、18年ぶり9人目の快挙。この日は満員札止めの観客から大声援を送られた。ファンの期待を一身に集める新大関の15日間が始まった。