11日から特別国会がスタート。会期は14日までで年内に臨時国会が開かれ、2024年度補正予算案などが審議される見込みだ。
衆院選で自公が過半数割れを起こしたことから国会の景色は様変わり。衆院予算委員会の委員長ポストを立憲民主党がゲット。かつて財務相を務めた安住淳氏が就く。これで補正予算案や来年度の予算案の審議も野党ペースになることが予想される。永田町関係者は「予算委はスキャンダル追及の場でもある。野党が主導権を握れば審議ストップの回数が多くなるだろう」と指摘した。
また、衆院法務委員長は立憲の西村智奈美前代表代行が就任予定。野田佳彦代表が選択的夫婦別姓の導入のためにこのポストにこだわったという。ほかにも環境委、懲罰委、拉致問題特別委、憲法審査会などの委員長ポストも立憲が獲得している。
衆院選で躍進した国民民主党が年収の壁撤廃を掲げて与野党の議論をリードしている状況で、さらに立憲が国会で主要委員会を押さえたとなると石破茂首相率いる石破内閣はピンチだ。「自民党は2000万円支給問題など衆院選の総括でモメている。国会運営もどうなるか分からないというあきらめの声が党内から出ている」(前出の永田町関係者)
来年の予算案どころか、これから審議される補正予算案ですらどうなるか不透明だ。その気になれば野党は内閣不信任案を提出し可決することもできる。イケイケムードだが、立憲民主党のある議員は「ここが肝心だ。やたらと政府与党を揺さぶり過ぎても国民がついてこない」と、慎重な姿勢が必要だと訴えた。
国民生活よりも政争に明け暮れていると見なされれば国民の反発を招きかねないというわけだ。委員長ポストの増加は立憲にとってもろ刃の剣にもなり得る。