全日本プロレスの世界タッグ王座を保持する斉藤ブラザーズ(ジュン&レイ=37)が、背水の陣を敷いた。
9日に後楽園で開幕した暮れの祭典「世界最強タッグ決定リーグ戦」Aブロックで、大石真翔&マイク・D・ベッキオに快勝。まずは幸先いいスタートを切った〝最恐双子〟が目標に掲げるのが、過去に天龍源一郎&スタン・ハンセン、ババ・レイ&ディーボン、大森隆男&征矢学の3組しか成し遂げていない全勝優勝だ。しかも世界タッグ王者として果たせば、史上初の快挙となる。
レイは「正直言うと、そういう人(世界タッグ王者での最強タッグ全勝優勝組)がいなかったとは、俺は知らなかった」としつつも「試合で言えば、タイトルマッチ以外も今年はジュンと組めば無敗だからな。タッグでは、団体関係なしに斉藤ブラザーズと言われる存在になるのが目標だ。だから、それくらいは実行しないと話にならない」と、偉業達成を掲げた理由を説明する。
全勝優勝どころか、年内無敗も見据えるからこそ、自らにリスクも課す。「考えてもないけど、俺たちが負けるようなことがあったら『斉藤兄弟はショッパイ』って言われるからな。その時はベルトを返上するくらいの覚悟がある」と明かし、表情を引き締めた。
弟の強い意志を隣で聞いたジュンも「いい心持ちだな。負けたら返上か。全然ありだと思う。タッグではそれくらい強さを見せたいし、自分も賛成だな」と静かにうなずいた。
1988年から94年までの間、世界タッグ王者は最強タッグ開幕前にベルトを返上してリーグ戦に臨んだ。まさにタッグ最強を証明する上で、同様の決意の表れと言える。このまま無敵ロードを突き進めるか注目だ。