絶好調のMF南野拓実(29=モナコ)が森保ジャパンで生きる道は――。日本代表は11日、北中米W杯アジア最終予選のインドネシア戦(15日、ジャカルタ)に向けて現地で調整を開始した。攻撃陣では、今季絶好調の南野に注目が集まる。多くのポジションをこなせるが、今後どのように起用していくのがベストなのか。元日本代表MF前園真聖氏(51=本紙評論家)が解説した。
今季の南野は開幕から不動のレギュラーに定着。特に世界最高峰の欧州チャンピオンズリーグ(CL)では、9月19日のバルセロナ(スペイン)戦で2―1という金星の立役者になると、10月22日のレッドスター(セルビア)戦では2ゴール1アシストと大爆発した。
代表では、持ち前のユーティリティー性を発揮して多くのポジションをこなす。本職とする2列目のほか、1トップやインサイドハーフなどでも出場。直近の10月はともに2シャドーの一角で起用され、サウジアラビア戦では右サイド、オーストラリア戦は左サイドで先発して、左右問わない器用さを見せている。
森保ジャパンで重宝される南野について、前園氏は「セカンドストライカーのほうがプレーしやすいでしょう。前にボールが入ったところに、セカンド(の位置)からサポートに行くとか、抜け出すプレーが彼は得意です。モナコでもずっと調子が良いです。代表の現在のポジションでも良さが出ている印象ですね」と高く評価。森保ジャパンでは、現在主に採用されている3―4―2―1の2シャドーが最適なポジションになっている。
ただ、南野を起用する際の組み合わせには、改善の余地があるとみる。「南野が入った時の組み合わせは、考えていかないといけないでしょう。例えば右サイドは、MF堂安(律=フライブルク)よりも、MF伊東(純也=スタッド・ランス)が入ったほうが単独で突破できます。南野は中央でポジションを取っていることが多いので、右サイドは伊東の突破に任せたほうがいいよねと。南野が入った時はこうだよねとか、そこの組み合わせが重要になってくるでしょう」と、それぞれの特徴に合わせた相性の良いコンビを模索する必要性を強調した。
それは南野に限った話ではない。現在の代表は各ポジションに、欧州の一線級で活躍する選手が多く、〝巨大戦力〟だけに「これからの課題としては、最初のシステムはあるけど、そのポジションだけではなくて、いろんなポジションを試合の中で可変していくので、どういうふうに組み合わせていくかでしょう」。選手層が厚いがゆえに、森保一監督(56)の起用法がより重要になってきそうだ。