【取材の裏側 現場ノート】トルコ1部ギョズテペのMF松木玖生(21)が、奮闘を見せている。
7月にJ1FC東京から4年契約で、イングランド・プレミアリーグのサウサンプトンに加入。今季は武者修行のためギョズテペに期限付き移籍した。活躍が期待されたが、8月上旬に右足を負傷し開幕に出遅れた。その後にデビューして、ここまで8試合に出場し、先発はわずか1試合(第12節終了時点)。2日のガジアンテプ戦では警告を受けるなど精彩を欠いたが、10日のコンヤスポル戦では待望の初ゴールをマークするなど存在感を増している。
トルコではなかなかパフォーマンスが上がらないものの、素質は誰もが認める一級品。今夏のパリ五輪は移籍が絡んで招集を見送られたものの、大岩ジャパンでは中心選手としてチームをけん引してきた。
2026年北中米W杯へ向けてA代表入りの待望論も高まる中、今後大器の抜てきはあるのか。4~5月のU―23アジアカップ(パリ五輪アジア最終予選、カタール)で活躍した松木について、日本代表の森保一監督(56)に可能性を聞いた。
A代表指揮官は「単体だけ見れば、すごく良い選手で、将来も期待できると思うので、代表にも絡んでくる選手かなと思う」と高く評価。その一方で「でも、他にもいい選手がいるので…。あのポジションで言うと、MF守田(英正=スポルティング)を外しますか、MF遠藤航(リバプール)を外しますか、MF田中碧(リーズ)のようなW杯で(ゴールを)決められる選手を外しますか、ということ。現在地と未来を掛け合わせないといけないけど、そういう中ではなかなか招集ができない」と代表では選手層が厚いポジションでもあり、近々の招集は難しいとの見解を示した。
ただ、松木のポテンシャルに対する期待は森保監督も大きい。「カタールで見たU―23予選の中では〝持ってるな〟と思った。やっぱり、あのプレッシャーがかかる中でのメンタリティー、そのプレー。自分の良さを発揮できるという部分においては、すごくいい選手」。今後の成長次第では北中米W杯の舞台に立つことも十分ありそうだ。
(サッカー担当・渡辺卓幸)