ソフトバンク・甲斐拓也捕手(32)が国内FA権を行使する意思を固めたことが12日、わかった。
今季119試合に出場した鷹の正捕手は、規定未到達ながら、打率2割5分6厘、5本塁打、43打点の成績を残し、4年ぶりのリーグ制覇に貢献。昨オフに複数年契約の打診を断り、今年4月に国内FA権を取得したことで、その去就が注目されていた。
経験豊富かつ球界屈指の守備力を持つ捕手がFA宣言となれば、他球団も黙ってはいない。すでに捕手出身の阿部監督率いる巨人が、獲得調査に乗り出す姿勢を見せており、15日のFA解禁後にアタックをかけると見られる。
もちろんホークスも全力で引き留める方針だ。球団はFA宣言後の残留を認めており、長年チームの正捕手を務めてきた扇の要に「チームの主力、必要な戦力」と複数年契約を提示し、誠意を見せる。
甲斐は楊志館高から2010年育成ドラフト6位でホークスに入団。13年に支配下選手登録を果たすと、17年には103試合に出場して正捕手の座をつかんだ。18年の日本シリーズでは6連続盗塁阻止でMVPに輝くなど、持ち前の強肩を武器に6年連続でゴールデン・グラブ賞を獲得した。
21年に東京五輪の日本代表に選出されると、昨年のWBCにも選ばれ、日本の世界一に貢献した。
4度の日本一と世界一を経験した甲斐は、新たな挑戦に強い興味を持っているとも見られる。いったいどのような決断を下すのか。ここまでは既定路線、勝負のゴングが鳴る。