新日本プロレスの石森太二(41)の特別興行「超人・石森太二は無茶をする」が12日に東京・新宿フェイスで行われ、1日8試合という〝無茶〟を完遂した。
この日の大会は石森が一人で5試合するという特殊なスタイルで行われることになっていた。ところが第1試合前に、急きょ第0試合が行われることが決定してしまう。黒パンツに着替えさせられた石森は、ヤングライオンの永井大貴と5分1本勝負で対戦。コブラツイストで勝利を収めた。
第1試合ではKAGETORAとのタッグでバラモン兄弟(シュウ&ケイ)、バラモン・リュウスケ(田口隆祐)と激突。いきなり21秒で反則勝ちを収めると、再試合として行われた2対3のハンディキャップマッチでもケイを首固めで丸め込み、勝利を収めた。
第2試合の藤田晃生とのシングル戦は10分時間切れ引き分けに終わり、第3試合ではSHO&シュン・スカイウォーカーとトリオを結成しジェフ・コブ&石川修司&関本大介と対戦。わずか3分48秒で両者リングアウトの乱戦となるがこちらも再試合になると、石森がコブに横入り式エビ固めで丸め込まれ敗北となった。
全10選手が出場した第4試合の職人ランブルでは最終入場者の葛西純にオーバー・ザ・トップロープで退場に追い込まれた。そして迎えたメインイベントでは、当初の対戦相手ドラゴン・キッドが首の負傷により欠場となったが、その代役として弟子のドラゴン・ダイヤとのシングル戦が電撃決定。ダイヤの猛攻をしのぐと、最後はブラディークロスで3カウントを奪ってみせた。
試合後のリングでマイクを握ると「ダイヤ! 今日は急きょだったけど、また改めてやろうぜ。というかよ、毎回毎回映像で話しかけてるヤツいたな。最初からナメたこと言ってたんだよ。『石森興行で後楽園でやる自信がない』と。この試合見ても、自信ないって言うのか? ここじゃハコが小せえだろ。だから次回は後楽園でやらせろよ」と豪語。さらには「俺よ、ここでどうしてもやらなきゃいけねえ相手がいるんだよ。なかなかさ、大人の事情でリングでは巡り合えない人生だけど、次回大会、メインで石森太二とドラゴン・キッド。これだけはやってやるぞ。ドラゴン・キッド! 俺は待ってるぞ。振り回されてこういう状況だけど、これもすべて巡り合わせ。自然とこうなる運命。お前ら分かるか、これが! すべてはな、神の恵み…そう、グレイスだ」と、流れてしまったキッドとの試合を実現させる意向を明かした。
結果的に再試合まで含めると石森はこの日だけで実に8試合を敢行し、4勝2敗2分けという結果となった。さすがの石森もバックステージでは疲労困憊で「今日はもういいだろ…」とぐったり。それでも最後は「まあ、プロレス界は何が起こるか分からねえけどよ、俺だけを見てればいい。俺だけ。俺は見ての通り超人だ。俺だけ見ればいい。ということで! 神の恵み、そう、グレイスだ」と決めゼリフで大会を締めくくっていた。