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小倉茂徳氏が〝天才女性レーサー〟Jujuの成長と貢献を絶賛「客寄せパンダではない」

東スポWEB 2024年11月13日 5時10分

〝天才女性レーサー〟の真の実力は――。全日本スーパーフォーミュラ選手権(SF)は、10日の「JAFグランプリ」(鈴鹿)で今季の全日程を終えた。アジア最高峰のSFに史上最年少、日本人女性として初の参戦で脚光を浴びたJuju(本名・野田樹潤=18、TGMグランプリ)の戦いぶりを、モータースポーツジャーナリストの小倉茂徳氏(62)が総括。今季見せた成長と業界全体への貢献を指摘した。

Jujuの挑戦1年目は苦戦も多かったが、内容には進化が見て取れるという。小倉氏は「開幕の頃は順位が1つ上の選手とのタイム差が約3秒あったが、富士(第6戦)の予選だと約0・5秒まで迫るなどラップタイム差を詰めている。予選も決勝も内容がどんどん高まっている」とアジア最高峰での奮闘を評価した。

9日の第8戦では、元F1ドライバーの小林可夢偉(KCMG)と激しいバトルを展開。自己最高の12位に食い込むなどインパクトを残した。「少なくともバトルするようになってきている」と超一流と渡り合える成長ぶりを強調した。

小倉氏は進化の裏にあるJujuの長所をこう分析する。「9月にSFはカーボンニュートラルテストがある。2台しか走らないが、そこにJuju選手が来て、ピットや各コーナーなどで走りなどを観察して、熱心にさまざまなことを吸収しようとしていた。このテストには他の若手選手はあまり来ていない」と指摘する。

その際に小倉氏が「熱心ですね?」と声をかけると「SFはテストがなかなかできないので、こういうテスト走行の時は自分の出番ではなくても、何か参考になるところがないかなと思って来ました」と答えたという。その姿勢に小倉氏は「貪欲でびっくりした」と目を丸くするほどだ。

着実に成長するJujuの今後が楽しみだが、来季は所属チームも走る舞台も未定。「もともと頑張っていた欧州で何かチャンスを見いだすこともあるかも」と小倉氏は指摘する一方で「すごく目標意識を持ってステップアップしているので、できることなら来季SFでどこまでいくのか見てみたい。さらに他の選手とバトルができるところまでいきそうかなと。条件さえ揃えば、さらに良くなる気がする」と大きな期待を寄せた。

日本のモータースポーツ業界全体への貢献も見逃せない。「お客さんやメディアの注目度で、その存在がものすごく大きかった。囲み会見でも、Juju選手の周りに集まるメディアがすごく多い。シーズンを通してメディアの数が増えた」と力説する。

その上で「単なる客寄せパンダではなくて、少しずつタイムや成績を上げていった。気が強いとかいろんなことも言われるけれど、それが彼女の良いところでもある」と潜在能力と人気を兼ね備えた希有な存在だと太鼓判を押した。天才が来季どんな飛躍を遂げるのか今から楽しみだ。

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