自民党の新人議員が国会の本会議場で禁止されている写真撮影を行ったことで謝罪した。この件に社会学者の古市憲寿氏はX(旧ツイッター)で「どうしてダメなの?」と投稿。衆議院に聞いた。
特別国会が開会した11日、自民党衆院議員の福田かおる氏と向山淳氏の2人が本会議場でスマートフォンを使って写真撮影を行っていた。実は本会議場での写真撮影は禁止されており、SNSを中心に2人に批判の声が上がっていた。福田氏はXで禁止されているとは知らなかったとした上で「お詫び申し上げます」と謝罪。向山氏も同様の投稿をした。
これに対し古市氏は12日、「この一件を批判している人は、なぜ議場が撮影禁止かを合理的に説明できるんだろうか。テレビカメラもあるから保安上の理由ではない。どうしてダメなの?」と首を傾げた。
どうして本会議場で撮影が禁止されているのか。衆議院に聞くと、担当者は「衆議院規則の211条と215条があり、具体的に『撮影禁止』と明文化されていませんが、撮影はしないようにとなっています」と話した。
規則211条は「議員は、議院の品位を重んじなければならない」、同215条は「議事中は参考のためにするものを除いて新聞紙及び書籍等を閲読してはならない」となっている。
「院内のことは議院運営委員会で各会派が申し合わせて決めていきます。撮影自体に直接言及しているものはありませんし、法律で決まっているわけではありません」(同)。品位を重んじるという点が特に重要視されているようだ。
スマホではないが1996年ごろに携帯電話とポケベルについて本会議場や委員会での使用を禁止するよう議論があったという。音が出る機器がよくないとされた。将来的に撮影禁止ルールの変更があり得るかについては、議運次第とのことだ。