取手競輪FⅠは13日、2日目が行われ、11R準決で打鐘を目がけて5番手から発進した森田一郎(23=埼玉)が逃げ切って1着。初日からの2連勝でS級昇格後では初の優出を決めた。
「メンバー的にしっかりと長い距離を踏んだ方が勝機があると思って臨んだ」
事前に頭の中で思い描いていたレースプラン通りに仕掛け、鐘3角過ぎで出切ってからは押し切って1着でゴールするためのペース配分を考えて踏んだ。
番手を務めた恩田淳平も「落ち着いてペース配分していましたね。感じとしては森田優弥や真杉匠に近い」と感心し「しっかり抜きにいったけど抜けなかった。ああいうマイペースになると、力通りの結果になってしまう」とお手上げの様子だった。
今年デビューの125期では一番乗りでS級昇格を果たした森田だが、自分の走りには納得していない。高みを目指しているからこそ「まだ自分の走りが確立できていない」「自分にはまくりはあるけど引き出しが少ない」と話すことが多い。
この日は珍しく「考えながら走って結果が伴ったのは初めて」と及第点を与えたが、頬を緩めたのは一瞬だけ。見据えているのはグレードレースでの勝ち負けで「先行」という引き出しが一つ増えたことも「通過点」でしかない。
最終日(14日)の12R決勝は高橋築―恩田に前を託された。ライバルは佐々木真也―河野通孝、岩谷拓磨―大坪功一と一筋縄にはいきそうにないが、S級初優勝への期待もかかる森田は「内容重視でラインから優勝者を出せるように走りたい」と力を込めた。