週刊文春を発行する文芸春秋らへの訴えを8日に取り下げ、芸能活動再開の見込みとなった「ダウンタウン」松本人志(61)を巡って、さまざまな動きが出ている。レギュラー出演していたテレビ番組に過去映像という形で〝登場〟したのだ。劇場での復帰が濃厚とされる中、テレビ復帰はどうなるのか。
訴訟が終結した3日後の11日、突然松本の姿がテレビ画面に現れた。「クレイジージャーニー」(TBS系)で流れた過去映像に、松本の姿が映っていたのだ。同番組では活動休止中にも過去映像を使用したことがあったが、今回は訴訟終結から初の放送回。その冒頭に松本を〝登場〟させたのだから、意味深だ。
「観測気球的な意味合いが大きいです。これまでも番組では松本さんの過去映像を使用して、世の反応をうかがっていました。訴訟が終わってから初めての放送回で松本さんの姿を映したのも、世論がどうなのか、知りたかったからです。もちろん制作現場が勝手にやったことではなく、局として松本さんの姿を放送するのは了承していることです」(制作関係者)
以前から同番組の制作現場では、松本復帰が熱望されていた。そもそも同規模の他番組より多い人員を配置する松本シフトが敷かれた番組だった。さらに裏番組の「月曜から夜ふかし」(日本テレビ系)に視聴率で後塵を拝しており、是が非でも松本の力を必要としているのだ。
ただ、スタッフの思いとは裏腹に、視聴者の反応は決して良いものではなかった。「松本さんの姿が映ったことに関して、局に対し数十件の意見が届きました。その中で好意的なものはわずか数件しかなく、残りは否定的なものだったと局員やスタッフに報告されています。想定よりも否定的な意見が多く、スタッフは頭を抱えています」(同)
テレビ復帰に向けてスポンサー企業というハードルは残っている。ある民放社員は「僕ら民放はスポンサーにご飯を食べさせてもらっているという立場。復帰を認めて、世間の声に立ち向かってくれるスポンサーが出てくるかどうかがカギですね」と指摘した。
スポンサーという観点から、テレビ復帰に最も近い番組と言われているのが、関西ローカルの「探偵!ナイトスクープ」(大阪・ABCテレビ)だ。テレビ局関係者は「現状クリアしているという話は一切ない」としつつも、放送時間帯が午後11時台ということから「この時間帯の番組はメインスポンサーはなく、さまざまな企業がスポットでCMを流す。ゴールデン帯と比較すると企業チェックのハードルは低い」。
松本は上岡龍太郎さん、西田敏行さんを継いで、同番組の3代目局長となった。制作サイドは引き受けてくれた松本に恩義を感じており、復帰しやすい土壌はある。
現段階では、まずは劇場での復帰が濃厚だが、テレビ復帰を巡っても水面下でさまざまなことが動いている。