大胆な詐欺〝ベアクロー作戦〟は失敗した。米ロサンゼルスで4人組の詐欺グループがクマの着ぐるみを着て高級車を傷つけ、保険会社をだまして14万ドル(約2200万円)を支払わせた。結果、逮捕された。カリフォルニア州保険局が13日、報告した。
ロサンゼルスの4人が、高級車がクマに被害を受けたと主張して保険金をだまし取った。クマが車内に入り、座席やドアをズタズタにしたという。しかし、後に逮捕され、保険金詐欺と共謀の罪で起訴された。保険調査員は、実際にはクマの着ぐるみを着て、破壊したことを突き止めた。
カリフォルニア州保険局によると、ニセのクマは1月8日、ロサンゼルスの北東、サンバーナーディーノ山脈のレイク・アローヘッドに駐車されていた2010年型ロールス・ロイス・ゴーストの車内を破壊したとされる。一部始終は監視カメラにとらえられていた。
高級車の所有者は、クマが車を破壊したことを証明しようとして監視ビデオを保険会社に提出した。しかし、保険局はウソを見破った。
保険局は「容疑者らのベアクロー作戦により、保険会社は14万1839ドルをだまし取られた。しかし、保険局がビデオを精査した結果、捜査により、クマは実際にはクマの着ぐるみを着た人間であることが判明した」と発表した。
監視カメラの映像には、ロールス・ロイスの助手席側の窓から侵入するクマらしき動物の姿が映っていたが、後部座席に入っていくと、その毛皮は非常に光沢があり滑らかに見えた。野生の動物というより、店で買ったハロウィーンの衣装のようだった。
カリフォルニア州魚類野生生物局の生物学者が映像を検証し、それは着ぐるみを着た人物であると示唆した。その後、捜索令状が執行され、クマの着ぐるみは容疑者の自宅で発見された。