ドジャース・大谷翔平投手(30)がMLBの歴史に残る快進撃を見せ、2024年シーズンを終えた。
昨秋に右ヒジを手術し、今季は投打二刀流ではなく打者に専念。リハビリプログラムを並行する中で史上初の54本塁打、59盗塁を達成し、またしてもメジャーの常識をぶち破った。そして、メジャー7年目にして待ち焦がれたポストシーズンにも初進出。ワールドシリーズでは左肩脱臼のアクシデントに見舞われながらもチームは優勝を飾り、悲願の頂点に立った。
ただ、昨季までの大谷といえばポストシーズンはおろか優勝争いとも無縁のシーズンを送ってきた。エンゼルスはメジャーでの二刀流を容認してくれたものの、チームが低迷を続けていたためだった。
元マーリンズ社長のデビッド・サムソン氏は自身のポッドキャスト「ナッシング・パーソナル」の中で、エンゼルス首脳陣を公然と批判した。
「ペリー・ミナシアンGMはチームにトラウトと大谷がいながら、この2人を中心とするチームをつくることができなかった。プレーオフ出場は一度もない。彼らはドジャースに勝てると思っているが、それはできない」「エンゼルスは粘るだけ。彼らはトラウトのキャリアをケガとともにムダにした。大谷がフリーエージェントとなるまでの6年間もムダにした」
大谷が投打で活躍しながらチームが敗れることで日本では「なおエ」なるフレーズも流行。トラウトも2011年のメジャーデビュー以降、ア・リーグMVPに3度輝いたが、ポストシーズンに出場できたのは14年の1度だけとなっている。そして8月には左ヒザを再手術。シーズンを棒に振り、チームも63勝99敗で同リーグ西地区で最下位に沈んだ。
大谷自身はドジャース移籍時に「エンゼルスで過ごした6年間は、この先も自分の胸に刻まれていくものです」と感謝だけを口にしていた。だが、大谷とトラウトというスターを抱えながらチームの力に変えられなかったことに、経営者目線では納得できるものではないようだ。