ダウンタウンの松本人志(61)が係争中だった週刊文春への訴えを取り下げて15日で1週間がたつ。文春側が取材に着手したのは、3年以上も前。〝お笑い界のキング〟を追い込んだ舞台裏とは――。
一連の問題の発端はタレコミだった。文春は2020年6月、アンジャッシュの渡部建の不倫を報道。これが呼び水になり、翌7月、松本の女性問題についての情報が文春に舞い込んだ。A子さんが松本からの性的行為を強要されたという情報だった。
文春編集部内で検討されて同月、担当としてX記者を指名。渡部の不倫を取材した経験が買われた。X記者はすぐさま取材に着手した。
「もともとは他の週刊誌の記者で、殺人事件や企業不祥事を取材していました。今から10年ほど前に文春に移籍。記者歴は約20年で経験豊富です。イケメンでも知られます」(出版関係者)
X記者はA子さんの主張を丹念に聞き取り、問題となった飲み会直後、知人女性に被害を訴えていたLINEの履歴なども得た。A子さんから昨年の旧ジャニーズ事務所の問題を念頭に「(性的被害で)泣き寝入りした女性がいることを分かってほしい」などと言われた。
取材着手から約3年半たった昨年12月、ついに松本に直撃取材を敢行。これまでの取材内容も踏まえて同月に報じられ、社会的な関心を集めた。A子さんのLINEの履歴などは松本との一連の訴訟で証拠として提出された。
問題となった飲み会が開かれたのは15年11月8日。松本が訴えを取り下げ、A子さんらへの謝罪声明を発表したのは、それからちょうど9年たった今月8日だった。同じ日だったことに文春内では「運命めいたものを感じる」との声が上がっているという。