悲願達成なるか。大相撲九州場所5日目(14日、福岡国際センター)、大関琴桜(26=佐渡ヶ嶽)が幕内宇良(32=木瀬)を押し出して4勝目(1敗)。首位と1差を守った取組後は「集中していけたと思う」とうなずいた。新大関の春場所から3場所連続で2桁勝利と安定感を示していたが、9月の秋場所は大関昇進後ワーストの8勝どまり。3大関の中では唯一、賜杯を手にしていない。
部屋付きで琴桜を指導する粂川親方(元小結琴稲妻)は、先場所の不振について「夏巡業で腰を痛めて稽古ができなかった。バス移動が長くて悪くしたようだ」と明かす。その上で「今場所の状態は悪くない。ただ、王鵬に負けた相撲(3日目)がもったいない。(毎場所)序盤で取りこぼしが1つ、2つある。中日ぐらいまで全勝でいくと、気持ちも違うんだけど」と課題を挙げた。
琴桜が足踏みを続けている間に、新大関大の里(24=二所ノ関)が台頭。すでに2度の優勝を達成し、横綱の座をうかがっている。このままでは、地位が逆転するのも時間の問題だ。粂川親方は「本人は早く優勝したいと思っているんだろうけど、気持ちが空回りしている部分もある。一回、優勝すれば…。本当に優勝してほしい」とエールを送った。
琴桜は「他の大関? 人は関係ない。変わらずにやっていくだけ」。今度こそ、賜杯をつかみ取ることができるのか。