未完の大器が〝猛虎の秘密兵器〟となるかもしれない。阪神に3年ぶりに復帰した金村暁投手コーチ(48)が、若虎に期待を込めた。熱視線を送られているのは、高卒2年目・茨木秀俊投手(20)だ。高知・安芸市で行われている秋季キャンプで若き右腕は汗を流す日々を送っている。
今季ファームでは先発ローテーションを守り抜いた一方で、プロ入り後の一軍登板はなし。同学年左腕・門別啓人投手(20)が一歩先に一軍での先発を経験したが、自身の昇格は今季も最後までかなわなかった。
そんな若虎について金村コーチは「まだまだ伸び悩んでる部分もある」としながら「柔軟性が素晴らしい。普通の人では出せないようなパフォーマンスを出せるピッチャーだと思ってます」と体の柔らかさを絶賛した。
13日のブルペンでは茨木の練習を見守るとともにじっくりと言葉を交わし、笑顔でアドバイスを送った。「(ブルペンが)すんごい良かったし、キャッチボールからよかった。(今は)何個かヒントをあげながら、それがハマったらいいねと。それに、藤川さんもキャッチボールを大事にしてた選手だから。そこを大事にしないと一流にはなれないよと伝えました」と同コーチ。今後に向けても「門別とともにライバル意識を持ちながらレベルアップしてほしいですね。これからが楽しみです」と期待した。
金村コーチの助言を受けた茨木はグラブの使い方を〝プチ修正〟したと打ち明け「いつもは真っすぐ出してたんですけど、入れてみたりして。それがタイミング合ってたと感じたので、続けてみようかなと思います」と続けた。どうやら〝しっくりくる投球法〟を見つけた様子だ。
さらに金村コーチからお墨付きを得た柔軟性については〝ケガの功名〟だったという。「中学校3年生の時に腰の分離症で、ストレッチ毎日やり始めて。その効果は結構あると思います」。
秋季キャンプも残すところあとわずか。目標の一軍登板に向けて、金村コーチのアドバイスを胸に猛アピールを続ける。