防府競輪FⅠ「九州スポーツ杯争奪戦」は16日、開幕する。小倉GⅠ「競輪祭」直前の開催で超がつくビッグネームは不在だが北日本、関東、南関東、中国、四国、九州の精鋭が熱戦を繰り広げる。
今節の注目選手は木村弘(32=青森)だ。前節の平塚でうれしいS級初優勝を決めての参戦。今回の「九州スポーツ杯」は小倉GⅠ競輪祭の裏開催とは思えないような好メンバーが顔を揃えたが、そんな中でも今期の好調ぶりなら〝台風の目〟的な存在だ。
「勝てるなんて思ってもいなかったので、勝てる時はこんなものなんだな、って感じでした」
S級初優勝は本人も意外なほどあっさりしたものだったようだ。西田優大(今回も参戦)の逃げを4番手からまくり快勝。売り出し中の若手を力でねじ伏せたレースだった。
今期は競走得点が100点を切ってのスタートだったが、ここまで104点台まで押し上げてきた。バック本数は22本で徹底先行のスタイルを貫いている中で、2連対率が5割に迫る安定ぶり。底力をつけてきた証しだ。
「練習はこれまで通りのメニューでやってるし、自分で脚力が上がったとは思わないです」
変わらず控えめな口ぶりながら「優勝できたことで、また勝てたらいいなって意識は出てきた」と言う。練習場の八戸競技場も3・3バンクで「短走路は慣れてます」。予選10Rは練習仲間の新山将史を連れて迷わず風を切る。