日本一の勢いそのまま世界一へ値千金の適時打を放った。日本代表・侍ジャパンは15日、「プレミア12」オープンニングラウンドB組の韓国戦(台北ドーム)に6―3で勝利し、2連勝を飾った。
1点を追う5回二死満塁で牧秀悟(DeNA)に打順が回った。牧は韓国4番手右腕のスライダーにうまくバットを合わせて中前へ運ぶ。「チャンスでなんとか打つことができてよかったです。気持ちで打ちました」と興奮ぎみに振り返った。この逆転2点適時打に井端監督もガッツポーズ。7回には4番・森下(阪神)の1号2ランが飛び出し、試合を決めた。
牧は日本シリーズを最後まで戦い抜き、キャプテンとして26年ぶり日本一に輝いた。侍メンバーの誰よりも疲労がある中「6番・一塁」で出場し、決定的な仕事をやってのけた。
日本にとって苦しい展開だった。先発・高橋(中日)が2回に先制点を献上。韓国にいきなり主導権を握られた。今季セ・リーグの最優秀防御率のタイトルを獲得した侍のエース。それだけに日本としては絶対に負けられない戦いだった。
若き侍たちが勝利への執念を見せたのは直後の攻撃。2回二死二、三塁で8番・紅林(オリックス)が左前へしぶとく2点適時打を放ち、試合を一時ひっくり返した。紅林は「先制点を取られた後、すぐに返すことができてよかった。自分にとっても大きな一本になった」と冷静に振り返った。
高橋もこの一打に勇気づけられ、続く3回は圧巻の3者連続三振。だが、4回に同点ソロを被弾し4回78球7安打8奪三振2失点で降板。何とか同点で5回から2番手・隅田につないだ。
その隅田が痛恨の適時打を浴び韓国に一時、勝ち越しを許したが、直後の牧の逆転打が侍ジャパンを救った。