大阪・関西万博協賛として行われる小倉競輪GⅠ「第66回競輪祭」(19~24日)とガールズGⅠ「第2回競輪祭女子王座戦」(19~21日)を前に、初代グランプリ女王・小林莉子(31=東京)は何を思うのか。
ドジャース・大谷翔平投手っぽく言うなら、今年もまた〝ひりひりする11月〟を過ごしている。2着と健闘した2021年を最後に遠ざかっている暮れのガールズグランプリ(GGP)への出場には競輪祭女子王座戦での逆転が条件。「賞金面でギリギリの争い」を続けてきた。
ガールズケイリンの1期生として歩んできたからこその戸惑いもある。「みんな出走本数が多くてトップの選手でも月3本は当たり前。新しいスタイルになってきた」。同じ土俵に立つためには本数を消化する必要があり「イレギュラーな追加もあって疲れが出ちゃった」と漏らしたひと言に一瞬たりとも気の抜けない壮絶なバトルの一端が垣間見えた。
意識しているのは「目の前のレース」だが、もちろん競輪祭女子王座戦は見据えている。昨年は初日2着と好発進も準決で7着に沈んでGGPへの道が絶たれた。「決勝に乗らないと勝負にならない」ことを痛感させられた。
「競輪祭はストレスがかかる開催。選手としてありがたいと思う半面、緊張もする。初日から気が抜けない」
2012年の第1回GGPの覇者で、常に第一線で戦い続けてきたからこそ〝ひりひりする戦い〟の価値も、その先にある達成感も知っている。立ちはだかる壁は決して低くないが、積み重ねてきたキャリアと経験値を武器に〝小倉決戦〟に挑む。