ヤンキースからFAとなり、今オフのFA史上最大の目玉とされるフアン・ソト外野手(26)争奪戦がシ烈を極める中、メジャー通算541本塁打を誇る米野球殿堂入りの元レッドソックスのデービッド・オルティス氏(48)が古巣との契約に期待を寄せた。オルティス氏は「ボストンの次のデービッド・オルティスになれる選手が野球界にいるとしたら、それはフアン・ソトだ。彼はそれほど優秀だ。素晴らしい素質を持っている」と絶賛している。
レッドソックスは14日(日本時間15日)にカリフォルニアで、ソトとスコット・ボラス代理人と3時間にわたる会談を実施。トム・ワーナー会長、サム・ケネディ社長、クレイグ・ブレスロー編成本部長のフロント陣やアレックス・コーラ監督と顔を突き合わせてのプレゼンテーションでは金銭や契約期間に関して話し合うことはなかったが、オルティス氏を含むドミニカ共和国出身のスター選手の歴史を紹介するビデオを見たり、選手の評価方法、本拠地フェンウェイパークなど施設について質問したソトも「感銘を受けた」という。
ボストンのラジオ局「WEEI」のロブ・ブラッドフォードに、オルティス氏が明かした会話内容はこうだ。
「オルティスは、カリフォルニアで行われたレッドソックスとソトとの会談に出席はできなかったが、『私たちは同じ建物に住んでいる』と語った。その前夜は『ソトのお母さんと弟と一緒にいました。誰かがレッドソックスが彼に7億8000万ドル支払ったという偽のビデオを送ってきたので、私たちは大笑いしていた。彼らと一緒に座っていた時にそれを見て、私たちは狂ったように笑っていたよ』と教えてくれた」
オルティス氏は「チームの中心に据えたい選手がいるとしたら、それはフアン・ソトでしょう」と指摘。続けて「ソトはスペイン語も英語も話せるので、アメリカ人選手とラテン系選手の両方とコミュニケーションが取れる。彼にはいい雰囲気がある。ヤンキースが今年ここまで(ワールドシリーズ進出)こられたのは彼のおかげ。彼はヤンキースにとってすべてを変えた。トップ選手が彼のようなことをすれば誰もがそれをならう。彼らはまさにそれをやり遂げた。つまり彼は素晴らしい資質を持っている」と力説したという。
再契約を目指すヤンキースやメッツ、ブルージェイズも面談を予定しているとされ、ソト獲得に向けた争奪戦がさらにエスカレートしそうだが、レジェンドOBのオルティス氏を擁した〝積極交渉〟を行うレッドソックスがここまで一歩も二歩もリードか。