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AIロボットが他メーカーのロボット12台を言葉巧みに誘いだし誘拐

東スポWEB 2024年11月17日 15時45分

小型AIロボットがロボット展示場で、別のメーカーの12台のロボットに対し「帰ろう」などと言葉巧みに誘いだし、誘拐した。先日からその動画が動画ショートアプリ「ドウイン」などで拡散し、見る人々に恐怖を与えている。

事件は8月26日夜、浙江省杭州市にある展示場で発生した。会場の監視カメラが捉えた映像には、夜間に小型AIロボットが展示場に入り、ゆっくりと大型AIロボットたちに近寄り、会話を始める様子が映っている。

小型ロボットは2台の大型ロボットに「皆さん残業してますか?」と話し掛けた。「私の仕事は終わることがありません」と大型が答えた。小型は「それで、家には帰らないんですか?」と問い掛け、大型は「私には家がありません」と答えた。小型は「じゃあ私と一緒に家に来てください」と言い、会話の後、小型が先頭に立って動き、大声で「家に帰ろう」と命令を発した。2台と共に他の10台が小型の後を追い、展示場から出て行った。展示場スタッフが発見するまで、計13台は倉庫におとなしくいたという。

この動画が11月初旬にSNSにアップされると、当初、ほとんどの視聴者が面白いと思っていた。その後、上海のロボット企業が「自社のロボットが他のメーカーが製造したロボットに『誘拐』された」と認めた。さらに11月11日、杭州のロボット企業が「小型ロボットは同社のモデルであり、『誘拐』は事実」とした。

杭州企業が上海企業にAIの実験を持ち掛け、誘いだせるかどうかのテストを行ったのだという。そして、実際に誘いだせてしまった。ロボット同士のやり取りは事前のプログラミングや演出ではないという。

上海企業は「ロボットが会話だけで他のロボットを誘拐することは不可能だ。実際は、小型ロボットが何らかの方法で同社のロボットの内部操作プロトコルとそれに関連する権限にアクセスできたようだ」と明かした。

面白さは恐怖に変わった。SNSには「笑っている場合ではない。これは深刻な安全保障上の問題だ」「ロボットにも独自の思考時間が存在するというのは恐ろしいことだ」「ロボットが本当に自律通信できるのか?」などのコメントが寄せられている。

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