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マイク・タイソン 6月に死の寸前だったと告白「病院で血液の半分と25ポンドを失い」

東スポWEB 2024年11月17日 16時29分

ボクシング元世界ヘビー級王者のマイク・タイソン(58=米国)が16日(日本時間17日)、急死寸前だったことを明かし、衝撃が走っている。タイソンは前日、19年ぶりの公式戦に臨むも大差の判定負け。還暦前のリング復帰には批判も噴出している。それでも本人は「負けたが勝った状況の一つだ」と語り、今年6月には生死をさまよっていたことを告白。リングに立てたことだけでも奇跡だったのだ。

全盛の「地上最強の男」を知る拳闘ファンにとっては悲しい結末だった。タイソンは15日(同16日)、ユーチューバーでプロボクサーのジェイク・ポール(27=米国)と1ラウンド2分のヘビー級8回戦で対戦。2020年のエキシビションマッチを除けば、05年にケビン・マクブライド(アイルランド)にTKO負けして以来の復帰戦となり、大きな注目を集めた。

ただ、ラウンドを重ねるごとに動きが鈍り、若いポールに手数で圧倒された。最後はポールがタイソンに敬意を表してお辞儀し、タイソンも手を差し出して試合終了。ジャッジはポールの80―72、79―73、79―73で大差の判定負けを喫した。

2階級で4団体統一を果たしたWBA世界スーパーウエルター級王者のテレンス・クロフォード(37)が自身のXで「彼はゴミのようだった」とつづるなど、消化不良の内容には批判が噴出。だが、タイソン自身は一夜明けたこの日、自身のXに「これは、負けたが勝った状況の一つです。昨夜は感謝しています。最後にもう一度リングに上がったことを後悔していません」と素直な気持ちを投稿した。

さらに「私は6月に死にかけました。輸血を8回行った。病院で私の血液の半分と25ポンドを失い、健康になるために戦わなければならなかったので、私は勝ちました」と衝撃告白。この試合は当初7月に開催される予定だったが、タイソンは5月26日(同27日)に航空機に搭乗中、着陸30分前にめまいと吐き気を訴え、救急医療措置を受けたため延期を余儀なくされた。病名は「腫瘍の悪化」とされたが、実は生死をさまよっていたという。

それからわずか5か月後のリング復帰はまさに奇跡で、起業家のイーロン・マスク氏(53)はタイソンの投稿に「ブラボー」と返信。ドナルド・トランプ次期米大統領の長男、ドナルド・トランプJr.氏(46)も「君は最高だよ。真の伝説だ」と称賛するなど、一夜でヒーローの座を奪い返した。

タイソンは「満員のダラス・カウボーイズ・スタジアムの前で、私の半分の年齢の才能あるファイターと8ラウンドを終える私の子供たちを見ることは、誰も求める権利がない経験です。ありがとうございます」と感謝の気持ちで締めた。

会場となったNFLカウボーイズの本拠地、AT&Tスタジアムには7万2300人の大観衆が詰めかけ、全世界で6000万世帯以上が視聴したというレジェンドの復帰戦。ファイトマネーを最低でも2000万ドル(約30億8000万円)稼いだといわれるタイソンは試合後、今後について「分からない」と語ったが、ドラマチックな生きざまでこれからも注目を集めそうだ。

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