至宝が大爆発となるか。森保ジャパンは17日、北中米W杯アジア最終予選の中国戦(19日、アモイ)に向けて現地で練習を行った。大アウェーが予想される中国戦へ向けてキーマンとなるのが、15日のインドネシア戦で〝温存〟されたMF久保建英(23=レアル・ソシエダード)。今季はスペインで絶好調で、元日本代表MF前園真聖氏(51=本紙評論家)が超絶進化ぶりを解説した。
森保ジャパンは15日のインドネシア戦で4―0と圧勝。勝ち点を13に伸ばして首位を独走している。次戦の相手となる中国には9月にホームで7―0と爆勝しており、実力差を考えれば今回も日本の絶対的な優位は揺るがない。
ただ、中国は直近の予選で2連勝と好調。今回は過酷なアウェー戦で決して油断はできない。前園氏も「中国は調子を上げてきていますし、一番はアウェーの難しさ。スタジアムの雰囲気も含めて簡単な戦いではないと思います。1戦目に快勝したイメージを持つと、厳しくなるなとは思います」と警鐘を鳴らす。
難しい戦いの中で頼りになるのが久保だ。今季はスペインで強烈なパフォーマンスを発揮しており、10日に行われた世界屈指の名門バルセロナ戦では攻守に躍動して1―0の快勝に貢献。ファン投票によるマンオブザマッチ(MOM)にも選出された。
久保の好調ぶりについて前園氏は「とにかく仕掛けて相手をはがしていくというポジションで、そこのスキルは年々上がってきています。(相手が)1人、2人来ても仕掛けられます。仕掛けられなくても、周りを使いながら自分でやりきる方法も見つけています」と自身の技術とともに、周りの選手の生かし方も向上していると指摘する。
さらに「プレスバック(自陣に戻っての守備)においても、今のサッカーでは攻撃的なポジションでも守備の意識、強度が求められます。そこのプレーが相当評価されてきています。少し前だと体が弱いとか負けてしまうとかありましたが、この前のバルセロナ戦でも囲まれても倒れないし、そこをはがしていく強さがあります。体幹的な部分も含め、年々レベルアップしています」と、守備とフィジカル面のめざましい成長を強調した。
代表では現在、右サイドの前線が主戦場。「久保に関しては1トップのシャドーも(システムによっては)真ん中でもプレーできます。右サイドにMF堂安律(フライブルク)がいると、うまくポジションチェンジしながら、サイドに張ることもあり、2人のバランスが非常に取れています」としっかり機能している。
最終予選、その先のW杯へ向けて、至宝のすごみは増していきそうだ。