〝バカサバイバー〟こと青木真也(41)が、格闘技イベント「RIZIN LANDMARK10」(17日、愛知・ポートメッセなごや)を忖度なしにぶった斬った。
まず注目したのは、朝倉未来&海兄弟が率いる「ジャパントップチーム(JTT)」期待の若手・秋元強真(18)の戦いぶりだ。元SB世界スーパーライト級王者の鈴木博昭(39)を相手に打撃でも引けを取らず、要所でテークダウンも決めて判定3―0で〝完封勝ち〟した。
この戦いぶりを「徹底的に勝ちに徹していた。っていうか、秋元だけじゃなくてJTTの全員がそうだったんだけど…」と声をしゃがれさせる。そして「今までJTTって選手の素材で勝負して戦略不足だったんだ。それが、戦えるチームになっているのを感じた。理由は分からないけど、外国人のコーチを呼んだりしたのが良かったんじゃない? その分、〝塩試合〟になってくると思うけど」と指摘した。
そんなJTTの大黒柱・朝倉海は「UFC310」(12月7日=日本時間同8日、ネバダ州ラスベガス)でUFCフライ級王者アレシャンドレ・パントージャ(ブラジル)に挑戦する。
今回JTTが見せたチームとしての成長を踏まえ、青木は「そっくりそのまま、朝倉海へのいいバトンタッチになると思う。今回の試合を見て、朝倉海は期待できると思った」と手のひらをクルリ。苦戦予想のこれまでと一転した言葉を口にするや「つまり、俺の予想で気が引き締まったんじゃないか?」と意地悪な笑みを浮かべた。
続いて前RIZINフェザー級王者ヴガール・ケラモフ(32=アゼルバイジャン)が摩嶋一整(33)にわずか28秒でTKO勝ちしたメインにメスを入れる。秒殺劇の理由を、青木は「摩嶋が打撃の距離感を完全にミスしてたよね。危ないゾーン、攻撃をもらう距離を見誤った」と説明しメガネを光らせる。
その上で「ケラモフって組むか殴るなんだけど、どっちにも〝長い距離の武器〟がないんだ。だから摩嶋は慎重な距離設定にしなきゃいけないんだけど、それができなかった。自分が組みにいきたい距離でいってしまって、相手の距離が分からなかった。それに尽きる」と分析した。
最後に言及したのが青木と同い年の昇侍に2ラウンド(R)1分5秒で圧巻のKO勝ちを収めた芦澤竜誠(29)だ。遠い距離からジャブを当てて試合をコントロールし、テークダウンも許さず。最後は強烈な左ジャブをアゴにヒットさせてグラついたところにラッシュを仕掛け、ヒザ蹴りをボディーに突き刺した。
これを青木は「最初に昇侍が組みに来た時、芦澤が距離を取って回ってディフェンスしたじゃん。あの時点で芦澤さんが距離を把握して、昇侍はそのコントロール下にあったんだ。ヒザは完全に狙い撃ち。あっぱれだ!」と絶賛だ。
さらに芦澤が途中、昇侍の首に手をかけながらヒザ蹴りを放つ「首相撲」を有効に使っていたことにも注目。「あれができるのは今後につながると思う。首相撲は今はMMAで必須だけど(国内では)まだ追いついていない選手が多いからね」と珍しく誉め言葉を並べる。
ただ、これで終わればいいのに「でも勝ったのは皇治と昇侍でしょ…。太田忍に負けていることを忘れちゃいけないよね」などと付け加えるのを我慢できないのがこの人の悪いところだ。
こうして好き放題語った青木は「しかし今日(17日)は各団体が興行をしていたよね。名古屋なんてノアとRIZINの興行戦争だっただろ。選手の中にはダブルヘッダーだったヤツもいてさ」とポツリ。
続いて「そんな中、俺とカシンは相変わらず干されてさ。でもノアのカードを見たら拳王も干されかけてたな。心から同情するよ」と意味不明なことを口走り始めたので、通話をそっと切らせてもらった。