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【ロッテ】佐々木朗希のMLB移籍で「ロッテは強くなる」 球団OBが断言する根拠と前例

東スポWEB 2024年11月18日 5時4分

MLB移籍を目指すロッテ・佐々木朗希投手(23)が、17日に本拠地ZOZOマリンスタジアムで開かれたファン感謝デーで旅立ちを宣言した。在籍した5年間でチームを一度も優勝に導けず、個人の夢を追う姿勢に批判は渦巻いたまま。しかも来季は今季の佐々木が稼いだ「10勝」を見込めず、弱体化は避けられそうにない。ところが、球団OBでもある本紙評論家の得津高宏氏は皮肉にも「ロッテは強くなる」と断言。その根拠とは――。

令和の怪物がついに夢を肉声でファンに伝えた。「球団に後押ししていただき、メジャーに挑戦させていただくことになりました。これまでいただいた熱いご声援、厳しい激励もすべて力に変え、アメリカで頑張ってきます」。佐々木の決意表明にスタンドのファンからは拍手も送られた。

もっとも、向かい風も吹き荒れている。在籍した5年間で優勝はおろか故障などで先発ローテーションを守れず、規定投球回には一度も達しなかった。そのため日本球界のOBらからは「ワガママだ」「メジャーで通用しない」など厳しい批判にさらされている。

ロッテOBでもある得津氏も「球団に対して恩返しを一つもやっていないことは一番引っかかる。あと2年待って移籍すれば球団に大きなお金も入るが、大したお金も入らない」と指摘しながらこう語った。

「ポスティングという制度がある以上、決まったからにはいい方向に捉えるしかないですよ。佐々木は選手会から脱退したり、ずっと叩かれてきた。佐々木のワガママではあるが、球団側もポスティングを認めなければ今度は球団が叩かれる。どちらにとっても良くない状況が『ウィンウィン』で片付いて良かったのではないでしょうか」

とはいえ、戦力ダウンは否めない。今季の佐々木はエース・小島の12勝に次ぐ10勝をマーク。チームは71勝でパ3位を死守したものの、10勝分がなくなると61勝で一気に5位のオリックス(63勝)をも下回る計算だ。得津氏も「10勝がなくなるのは、痛いですよ」としたが、ある意味ではチームを〝正常化〟させられる状況にある。

吉井理人監督(59)は佐々木が入団した2020年当時の一軍投手コーチ。怪物の育成プロジェクトに携わり、1年目は体づくりに専念させ、2年目は中10日間隔で起用した。一人を手塩にかけて育てることで、他の先発陣に負担が押し寄せるなどの影響もあった。だが、佐々木がチームを離れることで、チーム内には皮肉にも相乗効果が生まれるとみる。

「これで吉井監督も、何も気にすることなく采配をふるうことができます。いろいろ考えることも多かったと思うが、もう気にする必要はない。それに、こういう時は若手の1人や2人が必ず出てきてチームは強くなるものです。その2人が6勝ずつで12勝。新外国人の先発投手で5勝。西野(9勝)も種市(7勝)も10勝できる力はあります」

机上の計算とはいえ、もくろみ通りに「11勝」を上積みできれば82勝となり、2位・日本ハム(75勝)を上回る。独走優勝を果たした91勝のソフトバンクには及ばないが「扇の要である甲斐がFAで移籍すれば、どうなるか分かりません。面白くなると思います」と占った。

11年オフにはダルビッシュ(現パドレス)が日本ハムからメジャー移籍した翌12年にリーグ優勝。15年オフにも前田(現タイガース)が海を渡った翌16年に広島がペナントを制した。ロッテでは来季で高卒5年目となる中森らが、ローテ定着の機会をうかがっている。

来季、佐々木がロッテのユニホームを着る可能性は限りなくゼロに等しい。得津氏は最後に「自分で言いだしたこと。あとは本人が覚悟を持ってメジャーで結果を残すだけです」とエール。怪物右腕の第2章が始まる。

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